DIRECTOR’S JOURNAL

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

COLUMN

2021.03.29

少し前に、「フリーペーパーを作るのでインタビューをしたい」とフランスから連絡があったので、まずは話を聞いてみることに。完全なる自費出版による、アーバンテックウェアに関しての作り手へのインタビューとその考察をメインにして、スケートボーダー、シェフ、リカーメーカーなどのインタビューも交えた内容のポップカルチャーマガジンといったところだった。
https://www.futile-magazine.com

もちろん受けることにし、いくつかの質問にメールで答える形となった。その中で「日本はアーバンテックウェアのパイオニアである様に思えるが、その説明はできるか?」というなかなかな質問だった。もちろん日本がその様に見えていることはとても誇らしいし、確かにそうかもしれない、とも思える。スポーツ的観点から見たテックウェアとなるとそうは思わないが、ファッション的観点から見たときに、そう思われるのは納得がいく。



90年代にはさまざまな日本のストリートブランドが、スノーボードウェアの機能をエクストリームなポイントも踏まえながら独自の解釈でストリートウェアに落とし込み街着としてデザインしていたわけだし、同時多発なのかは不明だけど、スノーボードカンパニーのバートンを通してAcronymのデザイナー、エロルソンとの関わりなども当時影響していた様に思えたりもする。

バートンのソフトウェア部門の長が東京に来ると原宿をアテンドし、そこかしこにあるストリートウェアを見ては良いデザイナーに声をかけ、様々なプロジェクトに参加させていたことは、日本のアンダーグラウンドなブランドやデザイナーの存在を世界の同業者に伝播することにもなり、それは今に繋がる源流でもあるように思える。

とにかく、今の世のアーバンテックウェアというこのトレンドは、あの当時ここ日本で始まっていたことを改めて思い知らされた。







アーバンテックウェアというものが一つのカテゴリーとして定着し、今後も安定し存続するかわからないが、さらにそう願うわけでもなく、たまたまCITERA®もその様に見えているだけかも知れない。









ただ、ファストファッションでもない、ブランド志向でもない、でも何かこれまでとは違うムードをもった別のものを選びたいという人がいるように思えた。というか自分がそうなので、そう思う人たちが「着たい」と思える形を作っているのがCITERA®なのです。

そこには、スケートボード、ミリタリー、音楽、そしてポップカルチャーではないアカデミックな芸術的文化というものも内包されていながら、世界と瞬時に繋がり時間と場所と情報、そして思いを自由に共有できる時代に一つの選択肢としてあなたの傍に存在しているのです。