TRIP REPORT

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

おっ「トリップレポート」のメルマガが来たぞ。こんなご時世に旅行なんてできるのか? な~んて思われてしまいそうな世の中になってはや半年ほど経ちますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 不自由はなくなってきたといえども、心の不自由は未だ続く感が否めないですよね。やっぱり、普段接していない友達と気軽に会う気にはなれなかったり(相手に気を使ってしまってね)、身近であった場所でも人の往来が激しいところはなんとな〜く避けてしまったり。

そんな風にこれまでのルーティン的であった行動範囲でさえ制限している自分がいる。だからと言ってそれがストレスかというと、そうでもない。特にこれまでと変わらず心は健全である。それは一体なぜだろう? な〜んて考えてみたり。自粛時に、これまで放っておいた物や事に手をつけ出したらそれがなかなか楽しい。自粛が解けてもどうやらその作業が習慣化し、行動にフィルターがかかってはいるものの他にやることができたことで時間や心をも持て余すことなく楽しく過ごせているわけだ。これまで以上に「1日=24時間じゃ足りない」と思ってしまうってことは、結構どころか相当楽しんでいる。

そんな感じでこれまで放置してきた色々なことの一つに、今思うと滑り込みで行って来た1月のロンドンで撮った手付かずになっている写真がある。一体何を撮ったのか記憶が薄れていたので、この機会にちょっと見てみよう。そしてそれが使えそうな内容ならば紹介してみましょうってことです。


これは帰りの空港へ向かう車の中から撮ったもの。PINK FLOYDのジャケットの豚と煙突でお馴染みの「バタシー発電所」。商業施設になるとかレジデンスになるとかなんとか。こんなとこに住みたいもんだ。いや住みたくないかw。

この左側に写っている曲線の建物や奥に写っているごちゃごちゃした建物、こっちの建物の方に住みたいですね。


その手付かずの写真は夜の街を徘徊している時に撮ったものが多かったのだけど、壮大な景色とか、涙が出そうなほどドラマティックな情景よりも、こういった普通に街の断片的な写真を見ている方が何だか街や旅が恋しくなる。皆さんはそんなことないのかもしれないけど、僕の場合はね。




こんな夜のスポットライトを当てられたベンチとかグッときちゃう。


日本じゃ見ないボンヌママのムースの写真を見ては、口の中の唾液を分泌させてしまうわけですよ。


小さなイタリア料理店の店先の食材を売るコーナーを覗き見したり。

外国にまで来てピンポンダッシュしようかしまいか、インターホンの前で考えてみたり。


誰もいない街の図書館をぼ~っと眺めてみたりして。


外国に来て浮かれている中で、遅くまで仕事している人を見てやらなきゃいけないことを多数思い出し、夜の街で独りドキっとしてみたり。


やらなきゃいけないことを考えながらとぼとぼと家路につく。


でもやっぱりまだ浮かれていたい! なんて思って盛り上がってる声に誘われオープンテラスのパブに寄っちゃうんだな。お酒飲めないけど。



でもライブラリーってサインが目に飛び込んできて、「ライブラリー」→「本」→「資料」→「仕事」って感じの連想ですぐ現実に引き戻されて肩を落とし、「やっぱ宿帰ろ」となる。



宿に帰れば仕事をするかと思いきや、「ここいったな~、これ美味しかったな~」と写真を見返し全く仕事に手をつけない。



スケートスポットの画像が出て来たらもうダメ。「サウスバンクでスケートしたいな~」なんて思いながらイメトレが始まり、すっかり頭から仕事のことは抜け落ちてしまう。そんでYouTubeでスケートの動画観始めちゃってね。



夜な夜な小腹が減ったので、「コンビニへチップスでも買いに行こ~」なんて部屋を出ると、人も窓もない薄暗く細長い通路を眼の前にしたら、「薄暗い長い通路」→「シャイニング」→「怖い」→「追い詰められる」→「仕事」というしょうもない連想ゲームみたいな思考で急に不安になり「コンビニや~めた」と部屋に戻ってソファーで寝落ち。結局仕事はしないのね。おしまい。






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