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久しぶりのトリップレポート。
巨大な展示会で年に1度はアメリカに行くので、リサーチとしてニューヨークにも寄る。
年に1度であっても無かったものが出来てたり、今まであったのに知らなかった、知ってはいたけど優先順位が低くて行けていなかったりなど、とにかく何度行っても追いつかない。
ニューヨークだからという訳ではないだろうけど、歩く速度や話す速度から変化のスピードと全てが速い街に違いはない。
お店自体も気になるのだけど、その細部(ディテール)に興味がある。
なので全くノーマークの店であっても目に留まった部分があれば入って写真を撮ったり脳に焼き付けメモをとったりしてしまう。
最近は写真を撮ることが煙たがられることが多くなってきたような気がして、むやみやたらに撮る勇気というか図々しさを抑えるようになってきた。
とは言っても店員の目を盗んではシャッターをきっている。
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細部と言えば美術館。
細部どころかその建物自体がいい感じである。
もう住みたいくらいだ。
実はグッゲンハイムは初めて入ったのである。
ぐるぐると螺旋通路を回りながら観るのは何ともである。
文字の置き方なども急所をついて来る感じ。
デンバーのクリフォード・スティル美術館も文字や壁のディテールが魅力的。
メトロポリタン美術館の別館の窓自体がアートピースのよう。
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その延長で街を歩いているとアート作品はそこら中にあるように思えて来る。
建物のエントランスの花とハロウィーンの名残や、発色の良いトラック、壁に突然ある救護キット。
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食べ物だってそんな風に見えて来る。
食べ物なんてディテールの集まりみたいもんだ。
肉屋の天井いっぱいのソーセージなんてすごい異臭を放っているだけでなく、なんかすごいオーラが出てるし、熟成中の肉だって地獄の使者とも思えたり。
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食料品店はアトラクション。
色と細かいものが向かって来る感じ。
SF映画のチリを避けながら宇宙空間を敵から逃げ回る宇宙船のコックピットみたいに、様々なものが目の中に飛び込んで来る。
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宇宙といえば、ネイティブアメリカンの衣装は宇宙から来たのではないか?と思うほど想像を超えるデザイン。
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こんなミルクのパッケージも信じられないくらいぶっ飛んでいる。
というかふざけている。
作っている会社に就職したいくらい。
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この夜空の下の街自体が美術館のようであり、宇宙空間のようだ。
僕にとってはドリームランドである。