今回は、5月19日、20日の2日間で行われた広島のマーケットイベント「The Trunk Market」についてのレポート。
マーケット自体は今回で10回目、そしてCITERA®の参加は3度目。
天気予報では開催が危ぶまれていたのだが、日が近づくにつれ予報は良い方に。
しかし初日の予報は、前日まで午前の開催があやしく、前夜には激しい雷雨もあったのだが、翌朝にはマーケットを歓迎するかのように快晴の空が広がった。
いく度にわたりこのメルマガでもレポートしているので説明不要かもしれないが今一度。
このマーケットは広島のセレクトショップ「ref.」代表の中本さんが地域活性化のために始めたもので、思い描いた高いクオリティーのマーケットを形にしている。
セレクトショップの「目利き」として日本中から招致した様々なブースは、どれも文化的なものを背景に持った衣食住にまつわる店舗、ブランド、アーティストで構成され、中本さんが持つカードの多さを物語っている。
「前回を上回る人出」とのことで、11時のスタートから暗くなる時間まで人が絶えず循環し、老若男女が出店者たちとの新しい出会いを楽しんでいる。
訪れる人たちも広島や近県はもちろん、関東、関西、四国、九州と出店ブース同様にバラエティーに富んでいる。
主催者中本さんのショップref.が出しているレモネードは1日あたり800杯程出るそう。
市場に出回らないという広島産「宝 韶寿レモン」を贅沢に使ったレモネードは、5月の強い日差しと乾いた風のように、優しくも鮮烈な印象を与えてくれる味。
皮が薄くえぐみもなく、酸味の中に甘みさえ感じられる有機レモンで作るレモネードは、このマーケットに来たら絶対に味わいたいものだ。
出店ブースの一部ではあるが、印象に残ったものを。
いつも旅の〆として必ず買って帰る釜戸炊きの俵型おにぎり「むさし」が初参加していたり、行列の絶えないベーカリー、販売者の手で丁寧につくられた野菜、ハーブティースパイス、ジャムなどを扱うオーガニック食材屋などもあり、ここでの出会いを通じ、通販やネット販売でその後も交流が続くそう。
統一されたベージュのテントだからこそそれぞれのブースの個性が色濃く映り、訪れる人に魅力を伝えている。
それがこのマーケットの良さなのだ。
ビザールプランツ、センス良くアレンジされた花束、アーティスト雑貨のブースが充実し、見るだけでも楽しい。
またブランドによるワークショップなども行われており、今回はファッションブランドが行う奄美大島の職人の指導による「泥染ワークショップ」が目立っていた。こういった普段体験できないものに触れられる機会を作れるブースを用意できることもこのマーケットの強みである。
A.P.C.、大手アウトドアブランド。広く認知のあるブランドや、コンテナを使ってTシャツを販売する大掛かりなブース、そして我々CITERA®というファッションブランドのブースが垣根なく並んでいることもこのマーケットの振り幅の広さを表している。
野外イベントのためライブなども行われており、地元や県外からもアーティストが賑やかしにやってくる。
今回の目玉はYO-KING(撮影不可のため画像無し)と高田連。
こういった有名なアーティストによる弾き語りに加え、私自身もシンセサイザーによる環境音楽を演奏する機会をいただいた。
とにかく、このライブのラインナップからもわかるように、有名無名ジャンルレスで一見混沌とも思える内容に、中本さんの感覚という一定のクオリティコントロールが統一感を生み出し、「ハイエンドな蚤の市」というブランディングを成功させることができるのだろう。
それがThe Trunk Marketの魅力なのである。