TRIP REPORT

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

広島で年2回開催されているThe Trunk MarketにCITERA®も出店しました。
今回はその様子をレポートします。
気候の良いこの時季、広島は観光客が大勢訪れるようで、どこも人でいっぱい。
その主な理由は、宮島・原爆ドーム・カープ戦である。
今回は観光目的ではないのでそのあたりはお預けである。

そんな人の多い時季に行なわれるThe Trunk Marketには、観光客とは関係なく、感度の高いものを求めて近県から2万人も集まってくるのだとか。
The Trunk Marketとはいったいどんなマーケットなのか? 5月と11月の年2回開催、今回で8回目である。
出店数は70程。
全国から集まる出店ブースは様々で、アンティーク、伝統工芸、ファッション、アーティスト、人気雑誌、フード&ドリンクなど。
終了翌日に主催者から聞いたのだが、今回の来場者数は2万人を越え、過去最高を記録したとのこと。

2日間行なわれるのだが、初日は20時まで。
夕方以降は統一された白いテントに白熱灯の柔らかい灯りがともり、雰囲気のある時間が訪れる。

CITERA®でもブース出店の機会を得ることができたので、今回のマーケットで楽しめるものを用意してみた。
コットン製のショッパーやTシャツにオリジナルスタンプを押すという、ワークショップ的な試みである。
普段はWEBやSNSのみなので、来場者と直接的なコミュニケーションをとることができ、とても楽しい経験になった。
とにかく人が多いこのイベント。
公園内をブーステントが丸く囲み、その中央にもブーステントが設置されることで、人の流れは会場を回るようになるのだが、その様子はまるでお祭りの「スーパーボールすくい」のようで、目が回りそうな程。

出店ブースの中でも特に強烈だったのは、NEIGHBORHOODの多肉植物などを集めた「ビザールプランツブース」。
もう洋服屋とは思えないブースで、乱暴な言い方だが「変わった植物屋がちょっとだけウェア類を売っている」という感じ。
植物とは思えないメタリックシルバーのPachypodium(パキポディウム)という、ウルトラマンに出てくる怪獣のような多肉植物を豊富に揃えていたのは驚きだ。
東京で行なわれる有名な多肉植物フェアでさえもそこまで揃わないのに。
そして、VISVIMのコーヒーショップ「Little Cloud Coffee」によるブースでは、焙煎器を持ち出しその場で焙煎。
これにも驚かされた。
その横ではデザイナーの集めたアンティークのアクセサリーなどが並べられ、どこか異国のマーケットを見ているようだ。

広島のセレクトショップ「ref.」ブースでは、有名レストランにしか出回らない質の良い広島産レモンで作ったレモネードやスムージーを味わえる上に、レモン自体も購入できたり。
街にある小さな公園に、西日本中から2万人以上もの人が集まってくるのは、それぞれのブースの魅力だけでなく、地域密着と外から呼び込まれたものが、それぞれ感度の高さを維持しながらも混在できる、質の高い空間が作られているからだろう。
そこがこのThe Trunk Marketのすごさである。
広島でここまで色濃いマーケットが過去に7回も行なわれていたなんて信じがたいが、行なわれていたのだ。
今後目が離せないマーケットであるのは間違いなく、次回がとても楽しみである。



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