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今回のトリップレポートは、今何かが始まりつつあるNY、ハドソンバレーの旅をお届け。
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ある雑誌で「ハドソンバレーに移り住む人たち」を取り上げた記事を見た。
ハドソンバレーはニューヨーク・マンハッタンから列車で2時間ほどの場所にある地区を指す。
その記事によると、マンハッタン、ブルックリンなどは開発され尽くし、アーティストや都会に飽きた者たちが、より自由な場所を求めその地に向かったらしい。
数年前に廃工場で行われたミュージックフェスティバルが話題となり、その後会場として使われた廃工場は、カルチャー拠点として機能しているそうで、これをきっかけとして若いアーティストなどが流れて来たのだとか。
一体どんなところなのだろうか?
これから大きな流れを生み出すかどうかはわからないが 、何かが起こりつつあるところを見ておきたかった。
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ハドソンバレーは非常に広範囲なので、初訪の今回はその中心とされるハドソン駅に向かうことに。
ペンシルバニア駅からハドソンに向かう列車AMTRAKの乗車率は、早朝にもかかわらず7割ほど。
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出掛けに人気ベーグル店、BLACK SEEDで買ったサーモンとクリームチーズサンドを食べながら、ひたすら続くハドソン川を車窓から眺めること2時間でハドソン駅に着く。
驚くことに、乗客のほとんどがここで降りる。
どうやら人気なのは間違いないらしい…。
その人気ぶりは、NY在住の友人がVOUGE JAPAN web版でも紹介している通りだ。
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/travel/2016-10-23
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期待を胸に列車を降り、通りに出ると目の前には廃屋が幾つも続く。
「僕の住む神奈川の海沿いの町より田舎かもしれない」と少々不安になりながら5分ほど歩くと、メインの「ウォーレンストリート」に差し掛かる。
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東に向かって1.5km程の間に、グローサリーストアー、カフェ、アンティークショップ、デザインショップ、家具屋、ホテル、などが軒を連ねる。
建物などは、マサチューセッツ州との州境のためか、シェーカー教徒のミニマルな雰囲気のものが多く、古い中にも洗練された表情を持ち、通りを歩いているだけで刺激的だ。
あちらこちらと店先を物色しながら通りを進んでいくと、最後に現れるのが映画館を改装したというホテル「RIVER TOWN LODGE」とその向かいにある「BONGFIGLIO&BREAD」だ。
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ここに泊まって、朝食に拳大のクロワッサンと驚くほど甘味が強いオレンジジュースを味わい、広大な敷地の美術館Dia:Beaconやレストランが運営する農園や牧場を訪れ、ゆっくり穏やかな時間の流れを楽しむ。
それが、ここ最近のニューヨーカーの「ヒップな週末の過ごし方」なのだろう。
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