昨年12月に梶原氏のアテンドにて巡った3 都市の旅については
3 回に分け各都市をリポートしました。
しかし実際はもっともっと見たり感じたりしたことがあったので、
それを断片的な形で番外編としてお届け致します。
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NY 初日に向かった先は洗車場。
目的は洗車場とガラス一枚隔てて併設されたドーナツショップ
「UNDERWEST DONUTS」だ。
アメリカでドーナツといえば、捜査官の朝食である。
捜査官が仕事に取りかかりながらドーナツを口に放り込み、
熱いコーヒーで流し込む。
日本では張り込みの刑事はあんパンと牛乳と決まっているそれだ。
隣で洗車をしている間に
ドーナツを買いに来ている客がちらほらいる。
彼らのうちどれだけが捜査官なのだろう?と考えながら
その列に並ぶなんていうのも実に楽しい。
肝心のドーナツは、オールドファッションなどは頼んだその場で
揚げるので、出来立てが食べられるのは嬉しい限り。
UNDERWEST DONUTS/
638 W 47th Street New York, NY 10036
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NYの老舗アウトドア店といえばTENT&TRAILS。
その店内に踏み入ると目の前に現れる光景が、
この登山に使うロープ類。
まずここでガッツポーズをとるか、違和感を感じるかで
その後宝物に出会えるかどうかが決まる。
TENT&TRAILS /
21 Park Place New York, NY 10007
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マーケットで見たKRAFTWERKのTシャツ。
「AUTOBAHN」という曲のシングルのTシャツが$100である。
KRAFTWERKはよく聴いてきたが、
Tシャツを着たいと思ったことはなかった。
このデザイン、今見るととてもよく思える。
ミニマルでありながらタイトルがよく伝わるデザイン。
$100の価値がつくのも納得してしまう。
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サンフランシスコといえば「急な坂道」。
80 年代後半、この坂を
ものすごいスピードを出したスケートボードでダウンヒルしながら
トリックをする映像を何度も何度も観た。
そして2000 年代はピストバイクで一気に下る映像を観た。
実際にサンフランシスコの「急な坂道」を目の前にすれば、
そんなことをしようなんて考えもしないほどの急坂だ。
不便を逆手にとったキッズ達の遊び方に、
ユースカルチャーを生み出し続けた国の凄さを感じる。
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サンフランシスコのミッション地区にある公園で
ふと一本の背の高いヤシの木を見上げると、
緑と青の美しいコントラストが現れた。
そんな時、「カリフォルニアの青い空」という
聞き飽きたフレーズにさえも、芸術性を感じてしまう。
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アリス・ウォーターズとの、
料理を通した美しいコミュニケーションを運んできた器達が
HEATH CERAMICSと知り、彼女の地元に対する愛と敬意が
どこにいっても追いかけてくる様に思えた。
それはサンフランシスコに受け入れられたのではないか?
と思わずにはいられない。
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ポートランドのそれまでの印象はどちらかというと、
この写真の様にどんよりとして治安の悪そうな街だった。
それは「BURNSIDE」というスケートボードパークを
知ったからだった。
そこを知った頃は非常に危険な場所と聞いていた。
スケーター達がスケートボードで遊べる様勝手にセメントを
盛り始めても、野放しになる様な見放された場所。
もちろん今は違う。
世界から注目される様な魅力を持った街にまでなった。
それは、とても危険と言われた
BURNSIDE SKATEPARKを撤去するのではなく、
キッズ達が安全に遊べる様にした
行政の心の広さが物語っている様に思う。
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石鹸、キャンディー、フードトラック、オーガニックスーパー。
これらを見ていると共通するものが見えてくる。
田舎臭さがありながらもポップで明るく、人懐っこいデザイン。
ポートランドの良さがここに凝縮されている様に思えてならない。
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外国に来て普段の生活について思うことは、
スパイス、野菜、惣菜の種類が豊富であること。
もちろん日用品もそうだ。
それは他民族ということに尽きるのだが、
それが社会を作る上でどれだけ大切なことであるか、
実際に触れることで分かり始めてくる。
もちろん単一民族国家が悪いとは思わないが、
政治とか宗教とかではなく、
「選択肢が増える」という単純なことが非常に楽しいということだ。
そしてそこから、政治や宗教を自然と学び
相手の立場を理解できてくる様に思える。
そう、世界に点在する様々なことを「楽しく学べる」のだ。
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