PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

スウェットってのは「その時代の技術が注ぎ込まれたスポーツウェア」としてそもそもは始まっているわけだけど、現時点での「スウェット」ってのはもうそれとは違ってスポーツウェアではなく家着とかおしゃれ着ってところ。今どきグレーのスウェット上下で街を真顔で走っている人なんていませんからね。そんな人いたらふざけてやってるか、この時期だったらHALLOWEENを意識して「ロッキーの扮装」としてやってるくらいでしょうね。





 

ところで「HALLOWEEN」ですが、「ハロ」にアクセントを持ってきた「ハロウィン」ではなく、後ろにアクセントを持ってきた「ハロウィ~ン」というのが正しいそうで。

体の中に染み付いてない世代としては「ハロウィン」派でありまして、10月末に山手線に乗ると諸外国の人たちが変装してなんだか楽しそうだぞ?と疎外感を感じたものです。それに引き換えHALLOWEENを素直に楽しめる人たちはちゃんと「ウィ~ン」派なのだろうか?なんてことを10月がくると思うのであります。




 



さて話を元に戻しましょう。
コットン100%のクルースウェットやパーカーだったら、やっぱりカレッジものとか質の良い生地のものが好みなわけです。CITERAにおいてはそういったタイプでもスポーツスタイルでもない、リラックスして過ごせながらも現代的なスタイルにマッチするものを作っているわけです。それがこのWEAVER PARKAとPANTSのコンセプトになっています。これまでのWAVEと名のつくアイテムも同様です。


 

アウトドアやスポーツウェアから、普段の生活の中で着ている時にあるといいディテールや機能を盛り込んで、さらに使い心地や勝手がいいように工夫してそれを取り入れる。デザインにも必要以上の装飾的なものは取り入れず、あくまでも機能や使い勝手に伴ったデザインを心がけている。というか、機能に応じた「機能的デザイン」で成り立っている。なのでデザイナーズでは無い。

でも顔のないソリッドなものになってしまうのでは、最も必要な要素と考える「楽しさ」がかけてしまう。



 

おそらくCITERAがよそと違うとするならば、そこなのではないかと。とても小さなことではあるけど、洋服として出来上がった時に大きく違ってくる。このアイテムでいうと、パーカーならファスナー横の当て地の波打つ感じや、ポケット下のアルミのキーリングにフードに付けた大きなネーム。それが楽しいものなのか?と聞かれれば確かに怪しいが、CITERAとしての顔であることは間違いない。
この小さな要素が目に楽しいのである。空間を邪魔することなく埋めていて、それがあることで尚よく見える。



 

パンツにだってあるわけで、ポケット横のリベットや止水ファスナー、見えないけれどバックポケットのエクセラファスナーの開け閉めの時に伝わる振動の質感なんてとてもセクシーだ。まあこの表現は大袈裟だけど、コイル状の普通のファスナーだったら何も感じないわけだし、音に高級感もないからそこに意識を持っていったところで何も感じないだろう。何か気付いたとしても「あ、コイルファスナーね」と思うくらいだ。それ以上何の感情も生まれやしないのさ。

そうやって細かいところに五感の意識を持っていった時に何かを感じさせてくれることが、その服に「楽しさ」があるということ。

もしかしたらこれってただ偏愛が拗れちゃってるだけなのかもしれないけど、これまで自分が好きになったモノとかヒトから、物作りってのはそういうものだと感じたり教わってきたから僕もそうする以外にやりようがない。CITERAってのはそういうブランドなのだ。
細かくてごめんなさい。



 

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