PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

アイテムページの解説にも書いたけど、オックスフォード生地のボタンダウンシャツと言ったらブルックス・ブラザーズなわけで、それもラベルが白地に赤のアメリカ製のクラシカルなやつ。
日本だと取り扱いが無くて売ってないしアメリカでもなかなか見つけられない。
だからってそっちがいいわけじゃなけど、形とかラベルも含めた全体的な雰囲気がいい。
縫製がとにかく細かい上に、ミシンの特性なのか縫込みに凄く力が掛かるためかパッカリング(縫込みジワ)とかアタリが出て、そこが格好いい。





90年代にアメリカ文化を浴びながら思春期を過ごした僕にとっては、そういう粗めのゴツゴツした雰囲気の方がボタンダウンらしく見え、表面がツルッと綺麗な平面的なものより、今でも魅力的に見える。
その理由はやっぱり古着のブルックス・ブラザーズやラルフローレンのボタンダウンシャツを着ていたから。
恐らく当時は70年代後半から80年代のアメリカ製のものが安く仕入れられていたからアメリカでも日本でも若者が古着でそういったものを着ていたのだと思う。






そのようなシャツに触れていたことがこのシャツに大いに影響しているわけです。
だから前立て、襟、胸ポケット、カフス、肩周辺といった縫い箇所全体に見えるアタリは、ボタンダウンシャツを格好よく見せるための大切なディテールとして盛り込んでいる。
案外そこに着目や意識をしてない人が多いみたいなので、改めてそういったところを見てみるとそうでないものとの違いが見えて、シャツ一枚にしても面白いものとなってくる。

別にシャツ全般がそうだと言っているわけでは無くて、あくまでもオックスフォード生地のボタンダウンシャツの場合であって、凹凸のある特有の生地感をより強調して独特の雰囲気を作ってくれている。
だからこそそのようなタイプのボタンダウンシャツがより魅力的なのである。


だそれから脇腹の4mmほどの細い縫い箇所も些細なことだけど、製品としての魅力的なポイントとなっている。
ほとんど見えないから意味がないと思われそうだが、シャツ自体が大雑把な作りに見えないようにするためのポイントとして効いている。
手にした時はそこもしっかり見て欲しいのだ。
見ているとそこが愛らしく思えてくるのであるw。



生地の裏面は起毛しているので肌ざわりがとてもよく、暖かさも感じる。
春先や秋くらいなら素肌に着てもらいたいくらいに気持ちがいい質感。



ボタンは丸みのある厚めの貝ボタンなので、指先への馴染みがとてもいい。
どことなく優しささえ感じてしまう。



そして一番のポイントと言える、前立てとカフスに走るセルビッヂ。
これは先にも書いたブルックス・ブラザーズのクラシカルなあの「白地に赤のラベル」への憧れというか、あのラベルがとても印象的なのでそれの代わりになるような要素が欲しくてこうなったと言いますか。
まあ見た目にもかわいいのでそんなことまで言わなくても良いのですが、そういうことです。
ちなみに大きめの例のラベルも裾に付いてますから、そこもポイントとなってます。



シルエット的には少しゆったりしたタイプです。
昨今流行りのビッグシルエットを意識したわけでは無くて、若い時にたまたまサイズが大きな古着が多かったのでそういうのを着ていたその名残りといったところです。
でもこの感じのシャツだったらゆったりしている方がスタイリング的にしっくりきます。
きれい目なシャツだったらもっとスッキリしたシルエットの方が良いわけですから。

そんなわけで、ただのプレーンなオックスフォードのボタンダウンシャツかと思いきや、ディテールだらけのシャツということが分かってきて、とてもいいシャツということもお分かりいただけたと思いますので、この子を是非ワードローブの一員として迎え入れてあげてください。
よろしくお願い致します!



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