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Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

そろそろ2020年春夏シーズンが始まります。こうやってシーズン毎に始まりのメルマガを送っていて思うのですが、半年毎にシーズンが来ることに何の疑問もありませんでした。まあアパレル業界なので疑問なんてあるわけもなくそれが当たり前中の当たり前ですし、なんなら「春、夏、秋、冬」と4シーズン毎にやっているところもあるわけです。しかし、最近ふと思うことがあります。アパレル業界的にということではなく、CITERA的にはもしかしたらそれに縛られなくてもいいのではないか?と思うのです。

 もちろん、今シーズンはこれまで通り春夏で始まりますし、今後それをもうすっかり話題にもならない何処かの政党みたいに「ぶっ壊す!」なんて言おうとも思っていませんけど……。




CITERAってちょっと違うというかなんというか、規則的だけど不規則というか。完全に世の中のマーケットと離れてると思うんです。取扱店がなくネットでしか売ってない。展示会だってないのでメディアや身近な関係者でさえ手に取る機会がない。これかなり尖ってますよね。意地悪とか生意気でとかそういったことではないのですが、フレンドリーでないのは確か。身近じゃないのはなかなか受け入れづらいかな、と僕個人は思うわけです。

と言いながらも、そんなフレンドリーではない対極な行為としてこのようなメールマガジンがあったりするのもなんだか不思議。ちょっとアベコベな感じ。それを踏まえて「規則的だけど不規則」という表現を先ほどしたわけです。ブランド運営的には物凄く個を消している雰囲気だけど、中を見てみるとそうではない。かなり個を出している。だからネットでしか買えないものであっても毎シーズン楽しみにしてくれている方々がいるのだろうと思います。

商品だって普通っぽいものしかないけど、確実に普通じゃ収まらない部分があるし。今回なんてスタイリングガイドは自分自身が出ちゃってるし。普通ならモデルさんを使うでしょ。外国人じゃなくとも日本人のモデルさんとかね。表に出たいと思うタイプではないけど、これまで背の高い「シュッ」とした外国人モデルに着せていて思っていたのは、僕よりも足も手も長くって、顔だって二回りくらい小さいし、惚れちゃうくらいいい男だけれど、「CITERAの服に関しては、彼らよりも僕の方が似合う自信がある」ということ。





そういう自覚があるのであれば、それを見てもらうことで一番CITERAの魅力が伝わるのではないか?と思ったわけです。実際やってみて、とても楽しかったですし、普段着ているのとは違ってとても客観的に見れたし感じることができました。素直に「ここの服いいな」と。かなりマニアックなブランド(ネットだけという意味でね)になってるので褒めてくれる人がいないから、これはもう自分で褒めるしかない(笑)。

と、そんな風に思えたわけです。これまではそこまで素直に「いいな」と思えたことはなかったので、確実に何か違いがあるように思います。それが何なのかはネットの中に飛び込み、リスクを背負って手にしてくれた人のみぞ知る。それがCITERAというブランドです。

もちろん、機能とかデザインとかのウンチクはありますが、それをここで語っても数多あるそんなブランドみたいにウソくさくなっちゃって、AC広告機構に「あのブランド大袈裟だ!」って苦情を出されちゃいますからね。

言えることといえば、「今シーズンのCITERAはスタイリングガイドで見て感じてもらったそのままのものになっています」ということです。






NAOKI EI