PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

半年毎にこのメールを書いているのだけれど、結構半年なんてあっという間だ。歳を重ねて分母が大きくなるのだから1日が短く感じるのは当たり前だけど、それにしても時間が過ぎるのは速い。中学生の頃、1時限(45分)が実に長かった。「今日はどこに滑りに行くか」「どのトリックを練習するか」とかそんなことしか考えていなかった。社会の授業中だけは地図帳を開いて世界地図を見て何とか凌いでいた気がする。

CITERA もあっという間に丸3年が経ち、ブランドとして4年目に突入。今季で7シーズン目となる。まだまだ規模も小さく、基本オンラインのみという実験的な形態のため不自由もあるかもしれない。それでもこうしてメルマガを読んでいただけていることには感謝しかありません。プロダクトに関しても、全く新しいもの、機能をアップデイトさせたもの、マイナーチェンジさせたものなどを、どの様に伝えるか試行錯誤しながら日々を送っています。




さて、今シーズンに関してはこれまで同様特別なテーマは設けず、ブランドテーマである「快適な移動を提供する」を基本としたアイテムを用意しています。それは軽くて温かく動きやすい、それでいて上品でだらしなく見えない仕立ての良いものという単純明快なもの。機能ばかりを追求し、見た目が忙しかったり、肝心の着心地を害してしまわないように注意しながら、可愛く、格好良く、さらに知的に……、と欲張りながらもスマートに見える不思議なものたちです。 これまでに展開していないスタイルのアイテムもあるので楽しみにしていてください。

よその悪口を言うわけではないですよ。よそを見て自分の役割を知るというか自分の進むべき道を見極めるというか。素材メーカーに出入りすると、みんなが使う素材を勧められたりする。もちろん営業的な目的もあると思うけど、実際にみなさんが使うから勧めるということでもあります。でも、それって世の中に同じ様なものが溢れる要因の一つでもあるわけですよ。同じ素材で同じ様なものを作って、結果「価格が安い」というポイントで選ばれる。そんな世の中だけど、それが現実なので仕方がない。資本主義ってやつなのかな。果たして本当の資本主義ってそんななのかな? 昔、途中で投げ出したマルクスの資本論を改めてしっかりと読んでみようかなぁ、なんて思ってみたり。


資本論は置いておいて。
もちろんそのみんなが使う同じ素材を使って全く別物を作り出す人もいます。そう考える人やブランドがもっと増えればと思っています。それでその人たちとも違う別の道を歩むことがCITERARの課題。そしてこれを読んでいる皆さんに喜んでいただけるものを作る。

ドカーン!と大きなことができれば簡単なのですが、なかなかそうもいかないので小さなことを積み重ねるしかないし、後になればその方が簡単に壊れないのではないかと。

誰だってイバラの道は歩みたくはない。でも、イバラの道は避けたと思っていたのに結局イバラの道を選んでしまっていて棘が刺さり泣きながら歩く、というのが人の生き方。そうやって人もブランドも強くなるのではないかなぁ、と。

ありがたくも4年目を迎えることができ、そんなことを思いながらまた5年目も迎えられたらいいなぁ、と思うのであります。



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