PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

今年も夏がやって来た。と言ってもまだ梅雨真っ只中だけれど……
それでも7月という響きは心が浮つく。学生の頃の名残なのか、今でも「長期の休みがくるのではないか?いや来て欲しい」とさえ思ってしまうバカな自分がいる。



 

7、8月のスタイルは基本的にTシャツにショーツというのが自由業の醍醐味。もちろん状況次第で「プチ正装」というのもある。「プチ」とつけたくらいなので、ジャケットの下はTシャツだ。さらにボトムはデニムだったり、丈短めのパンツだったりするのだから、正装と言い張っているのはこちらだけで一般的に見たら完全にアウトだろう。だけれどそんな大人子供も20年以上もやっているので流石に板に付き、周囲の理解が得られ怒られたりしない。

 

夏季だけでなく年中Tシャツを着ていて思うのは、夏場に着るTシャツ素材はさらっとしている方が断然いい。起毛したふわっと柔らかいのもいいが、熱を帯びた肌にはドライな質感の方が快適に感じる。なんとなく汗の吸収後も起毛のものよりも幾分かさらっと感じる。濡れているのだから「さらっ、も何もないだろう!」と言われそうだがそう感じるのだから仕方がないし、今の気分はドライタッチの綿素材なのだ。

そして何より、ドライな方は嫌味のない光沢感となびく様にもスピード感があり、クールに見えて大人向けに思える。



 

ドライな生地には少しねっとりした質感のプリントがよく合う。発泡の盛り上がったくらいがちょうどいい。もちろん絵柄はシンプルに、スマートに見える様にしないと「大人子供」ではなく「ただの子供」となり周囲から相手にしてもらえなくなるだろう。
生地の違いやプリントの手法なんて大した違いではないんじゃないの?なんて思われるかもしれない。しかし、映画「アメリカン・サイコ」の名シーン「名刺自慢」の様に、気がない人には全く違いがわからないディテール合戦が存在する。それは違いのわかる大人のゲームである。映画ではフォント、エンボス、紙色、紙質で差をつけ誰よりも上に立とうとさり気なく競い合う。一見、それらに大した違いはない様に見えるが、そこには彼らにとってとてつもなく大きな差が存在する。

それは、たとえ誰も気にしないことであっても、自分自身にスタイルを貫き通させるという覚悟の末の戦いがあるのだ。
(まあ、映画はヤッピーのアホなマウンティングを描いてるだけだけれど……)



 

Tシャツにおいても先の映画のワンシーンの様に、生地、プリント手法、絵柄などは相互で関係しあう。よりクールなTシャツであるためにはTシャツを構成する要素はチグハグであってはいけない。もちろんその内容は誰に着て欲しいのかにもよるのだが、スタイルとして「品、余白、ユーモアを持つ軽快な大人」を目指すのなら今すぐCITERAのTシャツを着るべきだ。大人になると遊んでばかりいられない。しかし気持ちは浮つくこの季節、せめてTシャツ1つでそんな自分を表現していたい。CITERAはそんな想いを持った、また持ちたい方々へ日々アイテムをお届けしているのです。

 

ドイツ人芸術家ヨーゼフ・ボイスの新聞見出しから「WHAT IS TO BE DONE?」

 

ドットモニターに倣った「CITERA」


 

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