STORY第30回はEXPLORER JKTについて。
まず、辞書を開いてみると「EXPLORER」は探検家、探求者という言葉が現れる。
最近あまりこの言葉を耳にしないように思う。
「探検家」という存在が減ったのだろうか?
職業として成り立たないのではないか?などと考えてみる前に、技術の発達により、人が危険を冒してまで未開の地に足を踏み入れる必要がなくなったのだろうということは想像がつく。
そのせいか、この「探検家」という言葉は少々古臭く聞こえてくる。
実に20世紀的な響きだ。
しかし、「EXPLORER・エクスプローラー」となるとそうではない。
いまだに先陣切って突き進んでいくような響きを感じるのだが、それはなぜだろう?
ROLEXの時計やフォードの車種にその名があるからなのか?
古びたプロダクトであっても未だに輝きが失せないどころか、その輝きは時が経つほどに増しているようにさえ思える。
本来、人が使う道具とはそういったものであるべきだったのだろう。
長く使われるということが大前提というか、壊れず機能美を持ち生活の一部になり得るもの。
そういった世代を越えてもなお評価され続けるものだけが作られる。
「EXPLORER」という言葉は「探検家」という意味ではあるが、自分にとってはこのような意味を持っていると感じる。
18SSのメインアウターにこの「EXPLORER」とつけたのは、そういった思いがあるからこそだ。
もちろん、ROLEXの腕時計のように何十年も先に今以上の価値を生むことはないが、そういった輝けるプロダクトとともに使われてもおかしくはない意味のあるデザインと機能を持たせてある。
イギリス生まれの撥水性、耐水性の高い素材PERTEXは、確かな機能を持ちながらも往年のアウトドア素材「60/40」を思わせるレトロな質感。
しかしながら、ガサガサせず肌馴染みもよく軽量だ。
スタンダードなものたちとともに使ってもマッチする。
そして、胸のポケットにあるレザーは装飾かと思われるかもしれないが、ポケットに手や物を入れる際そこに触れることで、雪・水滴・埃などを排除するために配置させたものである。
もちろん革以外でもよかったが、革の方がナイロンなどの人工素材よりも感触がよく、また見た目にも優雅である。
時が経ったものとともに使用した時、互いに魅力を引き出せるようなデザインや質感でありながら、現代の技術力による機能的でより使いやすい製品を作ることもCITERAの使命であり、ブランドとして常に「EXPLORER」でありたいものだ。