STORY第20回はNEOCITY GUIDE JKTについて。
POLARTEC社のNEOSHELLを使ったジャケットを今季も引き続き製作。
スタートからメルマガを読んでいる方にはお馴染みの素材ですが、このNEOSHELL、安定供給が難しいとPOLARTECの方から伺って、廃番になるのでは? と少々不安に思っている今日この頃。
そんな事情とは裏腹に、非常に評判の良い素材であり自分も気に入っているよい素材なので使い続けたいものである。
GORETEX®よりも透湿性が高く、もちろんその分防水性の数値は低くなる。
街着であればそれでも問題ない。
柔らかくてストレッチも効き、表裏共に起毛感が心地よいのだから防水性よりそっちの方が重要だ。
素材の機能のことは過去2回のメルマガで書いてきたのでもう触れないが、未読で興味ある人はこちらのバックナンバーから読んでみてはどうだろう。
では何を書こう? アイテムのメルマガである以上アイテムに関して書くのが当然なのだけど、それも芸がない。
20代の時にスノーボードの会社で働いていたことがある。
アメリカの会社で、スノーボードを自ら作りそれを広めた張本人が興した日本法人。
アメリカの会社だからかマーケティングに非常に優れていて、ハード・ソフト共プロダクト開発に本気で取り組んでいた会社でもあった。
そのため、働く人たちが自ら積極的に商品を試し、フィードバックするという形でプロダクト開発に貢献することがあたりまえの、素晴らしい環境であった。
幸運にも自分は特殊なポジションだったため、ハイエンドウェアを好きなだけ試すことができた。
確かに優れたよい製品だったが常に思っていたことがあった。
それは、素材が硬くハリがありバリバリとうるさい、ということ。
もちろんスノーボードのためなので、丘スノーボーダーの自分はそんなフィードバックをすることもなく、街で着ながら常々そう思っていた。
ある時、縫い目がなく非常に薄い(2.5層)ジャケットが開発されそれを着てみたのだが、それでもやはりシャバシャバと音をたてることが気になった。
そんな経験があったため、このNEOSHELLという素材が好きなのかもしれない。
もちろん、同じものをずうっと使うのはつまらない。
進化させてさらによいものをつくらなければ、何よりも先に自分が飽きてしまう。
自社で開発しているわけではないのでなかなか難しいことではあるが、安定供給が難しくなっているということを思うと、そこに無理やり首を突っ込んで共同開発でもできないだろうか?なんて思ったりもする。
そんなことができるかどうかはわからないが、そういったチャレンジをしていくことでCITERAを強く大きくしていけるのだと信じている。