PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

STORY第17回はトリックバッグについて。
こちらはブランドスタート時からリリースしているもの。
といっても、まだ2シーズン目なのでアイテムもバックパックとトートの2型しかないけれど。

小さくたためて収納できる手軽な「パッカブル」バッグをラインナップに入れたのは、他のバッグ類が素材や機能をメインとし、荷物もしっかり入れられるものとなっているので、さらにそのバッグの中に携帯でき、旅行先や出張先で気軽に使えるものを用意したかったからだ。
いま「気軽に使える」とタイプしていて思ったのだが、この「気軽に」とは非常に曖昧な言葉のように思えてくる。
すごく便利なのだけど、曖昧にして誤魔化すというか、相手を安心させるための、言葉巧みに使われる「怪しさ」が隠れた言葉なのではないか?

これを読んでいるあなたを、「気軽に」という優しく安心できそうな言葉で騙そうとしているかもしれない。
世の中において、人は本来騙してはいけないし騙されることがあってはならないはずだが、すべての人が善ではないので注意したい。
ではTRICKシリーズは本当に「面倒なことなく、気軽に」使えるものなのかを考えてみよう。
TRICK TOTEもTRICK PACKも、大きなポケット1つと小さいポケットが1つの非常にシンプルな作りである。
その点では、確かに面倒なことなく使える。
実際に自分で海外に持ち出し使ってみたのだが、どちらもパックした状態でカバンに忍ばせれば邪魔にならず、街を歩きまわる際には身の回りの必要なものを入れられ、普通のバッグ類となんら変わらず使いやすい。
それでいてデザインも盛り込んであるので、使っていて楽しくなる。
そこから先はあなたが直接試し、その価値の程を試してみてほしい。

ということで、TRICKシリーズのバッグは、ちょっとした旅行やちょっとした出張のお供にちょうどいい「ちょっとしたバッグ」なのである。
だが……、この「ちょっとした」という言葉にも注意が必要だ。
特に気になる怪しい使い方が「ちょっとしたパーティー」だ。
よくショッピング番組などで、クラッチバッグや時計、アクセサリーなどを販売している時に、必ずと言っていいほど進行役の人が「ちょっとしたパーティーにぴったりです!」と言うのだ。
それは聞いた人に「うっかり買っても使う機会はあるに違いない!」と思わせる殺し文句なのだ。
そもそも「ちょっとしたパーティー」に出席したことがない。
大体がちゃんとした、もしくは立派なパーティーなのだ。
それとも世間では「ちょっとしたパーティー」があふれているのか? もしあるなら、その「ちょっとしたパーティー」に誘われてみたい。
その際には、ショッピング番組で「ちょっとしたパーティー向きの」時計でも買い、CITERAのTRICKバッグでも抱えて出席することにしよう。
騙されてはいけない。
便利で優しく安心のできる言葉にこそ、裏側にある相手の思惑を読まなくてはならない。

CITERAは、世の中の裏側にある思惑を見抜ける本質を持ったあなたのためのブランドであるよう、正直に正確に伝えていこうと思うのである。





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