フライトジャケット、チノパンと言えば、デニムと同様にヴィンテージ界のトップアイテムである。年代やタイプで様々なものがあり、マニアにとっては何を持ってフライトジャケットなのか、チノパンなのかしっかりとした定義があるはずだ。なので、それらに詳しくはない私みたいな者が軽々しくそれらを語ってはいけない様に思うので、歴史とかどんなタイプがあるかについては触れるのはやめておきます。いずれにしても、どちらも元々は戦争によって生まれた軍服であり、今となってはカジュアルな日々の手軽なファッション・アイテムなわけで、少々皮肉っぽいとも言えなくもないスタンダードアイテムである。今は特にそう思えてしまう……
軍事産業、宇宙開発事業による様々なものによって起こった技術進歩が現代の基盤になっているわけで、衣服もその中にあったのだが、昨今ではあまり衣服に関する進歩は見られない様に感じている。無いとは言い切れないが、昔のようにそれが民間に転用されるほど日常生活に役立つほどのポテンシャルがなかったり、そもそも軍事産業以外に民間企業が独自で開発した繊維や生地が増えたこともあるのであろう。第二次世界大戦以降、平和であることの重要性や産業の意味など様々な面で世の中や各国自体も進歩したのであろう。もちろん間接的に関わりながら軍事産業を伸ばしているという側面もあるので、全く平和的な時代になったかといえば、そうではないのだが。とにかく、人類は金と領土を増やすことに明け暮れてきたことは歴史を見ればわかることで、人類誕生以降陣取り合戦の時代の方が長いことを考えると、まだまだ世界が平和で包まれるには時間がかかるだろうな、と。
そう思うと、今日の日本で平和な日々があるのもたまたまであって、ただラッキーなだけとも思える。無責任かもしれないが、実際の戦地以外にいる者ができることといえば、平和であることを祈るのみなのではないだろうか。一人一人がそう思い、願うことが実際の平和につながるのも確かである。社会は一個人の集合体なのだから。過去に軍のユニフォームとして生まれた衣服を、戦いとは関係のない者が着て平和を願う。なんとも皮肉である。過去から学んで今に活かすという意味では、皮肉でもなんでもなく、成長なのかもしれない。とにかく、考えさせられる時代に生きている。何でもない日々の生活の中に平和につながるものはたくさんあって、それを今改めて噛み締めながら生きる必要があるのではないか?などと思いながらこのところ生活をしている。
本来なら、今の様な世界情勢でなくても敗戦国としてはそれを忘れてはいけないのだとも思う。ただ、ちんちくりんのパッパラパーな私は、こういう時でないとそんな風には思わなかったわけで、少々反省もしている。しかし、本来の平和とは、それで良いのではないか?と開き直る気持ちもある。非常に心が揺れるのだが、もちろん過去の犠牲に対する感謝は忘れないが、平和であるためにパッパラパーな自分であってもいいのではないか、と。その方が絶対に人と戦おうなどと思わないからである。考え過ぎたり、何かを大切にするあまりに人と戦うことを選ばざるを得ない人もいるのを見たりするが、ナウシカっぽいというか、平和を求めるために戦う、という難しい状況を作っている様にも思える。
だからこそ、パッパラパーなら戦う相手として選ばれないわけだし、ともすれば戦おうとしている相手の戦意を失わせることもできるのではないか?なんてことも思ったりする。
こんなことを書いているのも、正直自分はどうしたら良いかわからないし、かといってどうすることもできないから。でも、これでいいのだ。そう天才バカボンの「これでいいのだ」論である。ここに落ちてくるとたちまち気持ちが楽になる。バカボンのパパ、赤塚不二夫先生ありがとう。あなたの漫画こそ世界平和の原点である。平和の経典である。
ここらでLT FLIGHT JKTとLIGHT CHINOの話に結び付けないといけないのだが、流石に天才バカボンからとなると非常に難しいので、無理矢理舵を切るしかない。
ということで、この2アイテムはどちらも同じ生地を使っています。ジャケットは春から夏前まで着られるし、レイヤリングしながら着れば真冬手前まで使えるでしょうね。ただメインは春向けなので、軽い雰囲気を作るために衿のフライスは低めに設定してあります。アイテム名こそフライトなんて付いていますが、非常にファッション的なアイテムですね。袖のフライスも2段階で編み立てているので、ボリュームがあり身頃のシルエット同様にふわっしたスタイルです。軽快な雰囲気です。軽く撥水加工もされているので、よく春先にやられる小雨にも対応できますので、使い勝手の良いアイテムだと思います。
パンツも同様の生地のため濡れにも対応できる上、生地の特性上スレなどにも強い。それでいて薄く軽いため季節的にはガッツリした本来のチノクロスよりも穿きやすく、現代的です。ゆったりとしながらも裾にかけて若干のテーパードをかけてあるのでシルエット的にも穿きやすいと思います。どちらのアイテムもですが、ツルりとハリのある生地表面が品の良い春先のアイテム感を作っていますので、CITERAっぽさが出ているミリタリー経由の平和的なアイテムなのではないでしょうか。