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CITERAの中で価格的に見ればエントリークラスと言っていいスウェット類は、これまでプリント物としてリリースしてきました。ですが今回は、これまでとは違いプリントなどは施さず、ベーシックでありつつ特徴的なものをと思い、今最も袖を通したいと思っていた後付けフードのスウェットがいいな、となりました。

後付けのフードのスタイルは、皆さんご存知のスウェットメーカーであるチャンピオンが防寒性を高めるために、クルースウェットにポケットと共にフードを付けたのが始まりと言われています。しかし、何十年も前の話ですし、公式的な資料もあるわけではないでしょうから、それが100%事実であるかというのは今となっては分かりません。もしかしたら、誰か個人がチャンピオンよりも前にやっていたかも知れないし、どこかの弱小ブランドが試作だけ作って世に出なかった、なんてこともあったかも知れない。

なんてチャンピオン説を疑ってみましたが、おそらくチャンピオンが作ったのだろうと思います。ヴィンテージものの楽しいところは、現存する実物から当時の状況や情勢、ブランドが持つ当時の資料などの情報から、限りなく事実に近いであろう仮説を立てていくところにもあります。見て、着てだけではなく、考える楽しみを与えてもらうことができ、想像力を掻き立てられるロマンの様なものがあります。ヴィンテージの良さというのは、当然物自体にあるのですが、それだけではなく思考的な部分で感情移入できるところに心惹かれるのです。




 

さて、前置きが長くなりましたが、CITERAの後付けフーディーですが、フード内部は裏毛出しではなく二重になっているので、しっかりとした作りのフードになっています。生地自体はこの時期から5月あたりまで着られる、程よい肉感の柔らかく軽めのコットンなので、1着持っていてもいいものだと思います。流石にマニアでなければ、オリジナルのものや生地も踏まえて忠実に再現したものなどではなく、日常的に着やすいものの方が良いですからね。




 

昨今、90年代リバイバルな風潮でビッグシルエットが流行っていますが、こちらはそんな時流とは一切無縁のシルエットですので、大きいものがいい、というのであればただ大きいサイズを選んでもらえば良いわけですが、だからといってそれっぽいシルエットにはなりませんので、そういった雰囲気をお望みでしたら他をあたってくださいね。でも、これを読んで頂いている方々は、ご自分のお気に入りのフィット感で普段から洋服を楽しんでいらっしゃると思うので、CITERAにビッグシルエットを求めていないと思われます。

ファッションなので、その時々の流行りやスタイルがあって当然ですし、ブランドもそれを意識するのも当然です。ただ、そうではあっても流行が変わったからといって、失ってはいけないものもあります。流行り廃りに関係なく独自の道をひたすら進むのが一番良いのですが、そうもいかないこともあると思うので、あっちにふらふら、こっちにふらふらも良いと思います。ただ、言ったように失ってはいけないものがあります。決して失ってはいけないものは「自分が好きと思える気持ち」です。


 

好きなものにはどこか共通したものがあります。それがその人らしさを表しているのですが、案外本人にはわからないものです。でも自然と無意識にそれを選び表現しているのです。なので、それがその人を形成していると言っても言い過ぎではありません。その根本は「好き」という気持ちです。自分は何が好きなのか?

好きな気持ちがあればブレることはないでしょう。人間、好きでもないことに関してはブレブレです。逆にブレてる時はそれは好きではない、ということです。答えが見つからないというか、どっちに進めば良いのかわからない時、それは「心から好き」と言えることではない、ということです。

でも人間社会って厄介ですよね、好きなことだけやってていいわけではありませんからね。だから病んだりストレスを抱えてしまうのでしょうね。でもそんな時こそ、自分が心から好きなものに委ね心をそれで満たせば、少しは楽になれると思います。


 

「好きなものがわからない」という時は、信頼できる人、家族とか友達とか憧れているとか、そういった人が好きであろう物や事を好きになってみるのが良いと思います。

僕は普通のフードのついたスウェットも好きですが、感情移入ができるヴィンテージの後付けも好きです。とても個性的なのに奇抜ではない。デザインされていない様でデザインされている、とても自然なスタイルというところに惹かれています。僕が好きだとかは全く関係なく、それが優れたスタイルだから当然好きになって身につけたい人も多いはず。なのでCITERAでも作ることにしたのです。

ジャケットと合わせるととても良いスタイリングに見えます。普通のフードのものよりも、こちらの方が断然よく見えます。


 

ヴィンテージがどうのとか言うと、そういうものとして見る人がいるので本当は言わないほうが良いのですが、蘊蓄も好きなので書いてしまいました。でも、はっきり言ってそれは全く関係なく、この後付けフードのスタイルは普遍的なものだと思います。もちろん何十年も前に作られ、時代に置いていかれたスタイルですが、21世紀の今でも優れたスタイルと言い切ってしまって良いものです。

だからこそ、CITERAが作るジャケットと相性が良いのだと思います。どちらもお手元にある様でしたら、また今後お手にする機会がありましたら、是非試してみてくださいね。素敵なスタイルですので。


 

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