PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

寒い!先週後半辺りから突然温度が下がってきた。しかも昼と朝晩の気温差があるし、これじゃ身体に不調が起こっちまうよ。もっとこう、オートマティック車の様なスムースな繋ぎにして欲しいです。なんて言ってますが、もう2000年以前の様な順調な季節の移り変わりなんて無いわけだし、気候が変わり出してから10年くらい経ちますので、そろそろ慣れても良いと思うのだが、昭和40年代ギリギリ滑り込み生まれの筆者にはこの下手クソなクラッチ捌きによるギアチェンジはまだまだ慣れないものだ。でもね、寒いのは好きなので大歓迎。ダウン着たりコート着たり、ニットやスウェット、あれやこれやと色々なお洋服にお袖を通しぬくぬくしつつも、頬に刺さるような真冬の風を受け縮み上がるのも季節を感じる風物詩なんてものでございます。




日本も熱帯化しつつあるとは言っても、まだまだ冬は寒いわけで、まだまだ暖かいお洋服のありがたみに一喜一憂できるのは嬉しいことです。まあ確かに、年中半袖半ズボンなんてのも悪くはなさそうですが、やっぱりね、四季の移ろいのあるこの国で生まれ育った身としては、春夏秋冬それぞれに雅を感じつつそこに翻弄される、なんていうのが幸せなわけです。本格的な寒さがやって来たことで、冬支度にも気合が入ってくるのです。冬は好きだけど、年々寒さには弱くなっている様な気がします。これは歳のせいなのか、それともより暖かいものの良さを知ってしまったからなのか。何にしても人というのは、一度知ってしまうとなかなか後に戻ることはできないものです。






じゃあどんな暖かいお洋服で過ごそうか、となる。長袖のTシャツの上にもう一枚着て、アウターを着るという3枚がベスト。これ以上となると、昨今は薄くて軽く暖かいものが数多あるので、着膨れはしないがやっぱり「4枚着ている」という意識からか、嵩張る様に思えてしまう。そんなわけなので、厚手のニットやフリースのカーディガン、スウェットあたりになる。まあ中綿やダウンのカーディガンなんてのもあるが、普段であればニットかスウェットかだろう。そう思うのだけど、若い時からスウェットは意外に暖かくないと思っていた。重いわりに大した保温性もなく、洗濯後の乾きも悪い。しかし気分としては、スウェットは楽だし着回しもいいしどうしたって選ばないわけにはいかない。でも大して暖かく無い。




着たいけど本当は違う。ということでこの矛盾から解放されるために、この暖かい中綿スウェットは存在する。中綿はPOLARTEC社のALPHA®で、しつこい様だが軍事衣料のために開発された素材なので、軽く暖かいことでその目的を果たすわけだ。であればこの素材を使うのが当然の流れとなる。もうそこら辺の適当な中綿ではダメだ。この素材の存在を知っている以上、それ以下を使うわけにはいかない。ダウンの方が軽くて暖かいのだろうが、流石にスウェットにそれは無い。薬物やめるか人間やめるか、くらいの選択だ。ダウン使うかスウェットやめますか、と。そもそも、暖かいスウェットを作ろうと思った時に「ダウンを使うのはどうか?」なんて思うわけはない
。そんなのはナンセンスもいいところだ。


私は二の腕が冷えやすいく、そして肩を冷やすと風邪をひく傾向がある。二の腕が冷えると非常に寒く感じる。このスウェットを着ているとそれがない。この弱点とも言える二の腕と肩を冷えから守ってくれるのだ。「冷えから守ってくれる」なんて言葉はもう完全な年寄りのネタだ。いいじゃないか、冷えから身体を守ってこそ吹き荒ぶ寒気を謳歌できるのだから。冷えたら負けだ。私は決して負けない。鼻を垂らし痩せ我慢をしながら「寒くなんかない!」と言い張るのではなく、余裕な表情で「寒くないっすよ」とヘラヘラと言いたい。それにはしっかりと暖かいものを着用すべきなのだ。科学に裏打ちされた確実な暖かさを持つ装備を用い、武装するのである。であればこそ「負けない」のだ。


随分と大袈裟に言ってはみたが、見た目には何の変哲もないただのスウェットなのだから、この戦国時代の様な想いがあることは見抜かれないに違いない。「おいおい、随分と着込んで南極にでも行く気かい?」なんて揶揄半分で言われたくもないし、逆に「少々薄着じゃありませんか?」なんて心配されるくらい無防備に見られたい。

あ、これちゃんと脇にハンドウォーマーもついてますので、手を突っ込んで温めたりもできますし、裏はソフトなコットン100%の裏毛なので柔らかく優しい着心地です。表面もコットン100%ですから、どこから見てもどう着てもスウェットらしいスウェットです。これを着てALPHA CARGOやPWBのパンツを穿いていれば、寒空の下を歩いたとしても冷えることはないでしょう。もちろん靴下や手袋そして首を守ることも忘れなければですが。

この冬も皆さんの健康を陰ながらお祈りしております。




BACK TO INDEX