PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

毎シーズンジャケットをリリースする様になり3年ほど経ちました。秋冬には厚手のジャケットも加えながらのリリースです。どれも反応がよく、世の中こういった種類のジャケットやセットアップ需要というのがあるのだなと発見がありました。

私の場合、仕事柄ジャケット着用の義務もなくシャツやブルゾン感覚で着ているわけでありまして、購入された、また今後されるであろうユーザーのみなさまはどういった場面で着用されているのだろうか?なんて思ったりもします。




もちろん、私と同じ様に普段着同様で着る方もいらっしゃると思いますし、硬い職場にてどこまで許されるのかは分かりませんが、ネクタイと共に着られる方もいらっしゃるのかと思います。いずれにしてもCITERA®のJKTを着ながら日々を過ごされている方がいることはありがたいと思っています。また、どんなアイテムにせよ皆さんにCITERA®を着ていただけていることを嬉しく思います。私も、第二の肌と言っても過言ではないほど日々着ているわけです。とか言って今ラルフローレンの無地Tシャツを着ておりますが……。もちろんTシャツ一丁ではないので、それ以外はCITERA®を着ておりますよ。

ちなみに今日は、穿き込み中のリジッドDENIMにFAM SWEATを着ているのですが、昼になっても温度が上がらなく少々寒さを感じてきましたので、中綿のINSULATED CREWにでも着替えようかと思っている次第です。






さて、今季リリースしたWURSTなるセットアップのアイテムですが、コロナ禍における生産背景の混乱により入荷がかなり遅れてしまい先週末にようやく残り分が入荷し、無事全数がサイトに反映されたばかりで、満を持してSTORYでの紹介になります。

CITERA®ではお馴染みの機能素材「PERTEX® UNLIMITED」を使って、ジャケットにはロゴ入りの裏地付きではありますが非常に軽く軽快な着心地に、マットでシャキっとした質感でポケットや袖口にウォータープルーフジッパーがあしらわれていることも相まり、スポーティーで落ち着きのある雰囲気。




PERTEX® UNLIMITEDには様々な種類がありまして、CITERA®が普段使っているものは極地での使用には向いているものではなく、日常の延長上にあるフィールドアクティビティに適した種類です。ランニングやサイクリング、そしてトレーニング等、日々の生活の中でより健やかに過ごせる様に身体を動かすことを習慣にするわけですが、そういった活動で使うのに適していますし、そこまでせずとも突然の雨に降られたとか、勢い余ってパンツにコーヒーこぼしたとか、ジャケットとカバンが擦れるとか、可動部に瞬発的に負荷がかかるとか、暮らしていく中においてどうしても起こってしまう「衣服に対するハプニング」から衣服を守るためでもあります。

だからといって、ただ守れば良い、とかいうことでもありません。守ることも重要であるが見た目も重要なわけでして、耐久性があるから重く厚みがあってもいいわけではないし、水弾きが良いからといって「ツルツルのテカテカ」というのも演歌歌手の衣装でもあるまいしそんな生地じゃ着る気が起きない。機能を果たしながらも装飾的な意味での着る服としても機能させることを目的として、PERTEX® UNLIMITEDの中からCITERA®に見合ったものを選んでいます。


もちろんエクストリームな機能素材も確かに格好いいのですが、ジャケットスタイルで雪山や雨季の亜熱帯に挑むなんてバカなことはしないでしょうし、そういった最上級の生地となるとアイテムのプライスもエクストリームなものとなってしまって、沢山の人に使ってもらいづらくなりカジュアルウェアとしての意味を成しませんので、信頼がおけて且つ日常的な仕様の中でも十分に機能を発揮できるものであることが、道具として一番使い易いと思うのです。ハイスペックもいいけど大体スペックを持て余してしまうのが現代人の生活スタイルではないかと。

なのでCITERA®では何事も程々になわけです。無理をしたっていいことなんてありゃしないのでね。まあたまには都会人でも、頭を冷やすという意味でずぶ濡れになるなんてのもいいかもしれませんね……。


そんなわけで程々の機能素材をベースとして、このWURSTにもディテール的な要素に意味を持たせながら仕上げてあります。人工スエードを使った衿から裾にかけたトリミング。これは生地の軽さによる全体的な貧弱さをカバーする効果があります。見た目的なこともありますし、輪郭がしっかりとするように強度を持たせるためです。そしてウォータープルーフジッパーのポケットはスペック感が高まる見た目的な効果と実際に万が一のずぶ濡れ覚悟の際に濡らしたくないもの(財布やスマホあたりでしょうか)、を忍ばせておくため。流石に袖口のそれは……。これは完全にポケットと合わせて使うことでの高スペック感のためですね。

パンツもそれに準じた機能としてのウォータープルーフジッパーで、見た目的にもアウトドアでの使用目的のためのジッパーであるのに、なぜか都会的に見える。それはコンクリートやガラスといった無機質な要素の集合体である都会と重なるからだと思います。そういった小さなディテールを積み重ねることによって、WURSTジャケットとパンツは私たちが生きるこの現代社会と繋がっているのだと思います。




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