STORY 第9 回目はEGGPLANT PACKについて。
サンプルの最終段階でこのバッグを見ていたらナスに見えた。
ナスと言っても形はいろいろあるけれど、 頭の中で重なったものは漬け物の小さいなナス。
ヘタがあってぽってりしててかわいい。
このパックとそのナスは本当に似ていた。
漬け物は何かしらに漬け込み、その素材の旨味を引き出す。
このパックも漬け物の様に、 デザインで漬け込まれ、時に揉まれ、素材の良さが引き出され、 機能と見た目がベストのところで製品化される。
そう考えれば漬け物と重なるのもおかしな話ではない。
このパックの形が 普段街で使う「バックパック」としてベストと思える。
パックの底が斜めであることで、 中の荷物が背中側に滑ってきて外側に膨らまない。
中身が少ないのにやけに膨らんでしまっては、 どんなに洗練されたパックでさえも不格好になってしまう。
入れる荷物によって形が崩されることは避けたい。
中身の荷物が1 割りでも9割りでも、 同じ形が保たれていることが理想的。
バックパックで悪夢を見る場合がある。
それは荷物を詰め込んだ後に、 底の方に取り出したい物が入っている場合だ。
それがUSBメモリーだったら…。
手を突っ込みミキサーの様に手探りでかき回しながら探すか、 几帳面なあなたなら、中身を全部出して 最後の最後でそいつを拾いだすなんてことも。
そんなことはあってはならない。
そのために中身が見えてどの位置にあるものでも 容易に取り出せる様、正面にファスナー口を付けた。
これがあれば、さんざん引っ掻き回し 畳んで入れたシャツやスウェットが絡み合い、 手動洗濯機みたいなことをしなくて済む。
形が崩れず中身も出し易い、それでいて軽くフィットもよい。
使ってみて思ったことがある。
それはウエストベルトの存在。
普段の生活で使うには邪魔だろうと思い、 取り外し可能にしたウエストベルト。
なぜだか付けている方が落ち着く。
ないと寂しくも思えてくる。
当然ベルトを締めるわけでもなく、自由なままなのに。
控えめなベルトのお陰で、付いていても邪魔ではなく、 むしろある方が 使う際に納まりの良いパックとなっていることが分かった。
このウエストベルトがあることで、 「定食に漬け物がついているか、いないか」 そのくらいの満足度の違いを与えてくれる様に思えてならない。
個人の自由ではあるが、 ウエストベルトは取らずに使ってみて欲しい。