STORY 第8 回目はTECH LIGHT COAT について。
極寒環境での着用を目的とされたフライトジャケットN-3B。
これを、機能素材を使い
軽く、温かく、きれいなシルエットで仕上げたものが
TECH LIGHT COAT。
機能素材-
機能素材を使った、軽く温かく着易いN-3Bが着地点。
表地は防風、防水に優れた2レイヤーのPertex。
中綿には身体から発する熱を蓄熱する光電子。
そして裏地には熱を反射させる機能を持つサーモトロン。
11月のある日に突如襲った真冬の寒さの中、早速着てみる。
半袖Tシャツ、パタゴニアの薄いフリースという
少々不安なスタイルにTECH LIGHT を羽織って外出。
外気4℃。
雪と寒風の中をしばらく歩いてみたが、
十分な温かさを感じながらも中は薄着のため身のこなしも軽く、
とても快適に歩くことができた。
子供の時の、
長靴を履きじゃぶじゃぶと水たまりの中に突入していく
あの感じを思い出す。
機能素材の「機能」を身をもって体感。
選んでよかった。
シルエット-
20 代の頃、古着屋で安くN-3Bを買った。
とても重くて、フード先もゴソゴソと硬いアクリルの白い疑毛。
それでも温かく雰囲気が良かったのでよく着たものだ。
ただ一つ気になったことがある。
肩の形がやけに丸い。
大げさだが「シュワルツェネッガーか?」と思うほど、肩の形が丸い。
その形だからいい、と思う人もいるだろう。
また、腕の可動を考えるとどうしてもそうなるのだろう。
しかし、どうも受け入れられない…
肩が自然なシルエットで、腕も動かし易いN-3B、
というのをどこかで見つけていたら、
このTECH LIGHT COAT は作らなかったに違いない。
CITERAのコンセプト的には、機能的でありスマートであること。
どちらも優先事項なわけだけれども、
作る立場としての作りたい衝動とは、
「自分に合った程々にかっこいいもの」である。
もし「何が格好良さなのか?」と聞かれれば、
衣服の格好良さなんてせいぜい50%くらいでよくて、
残りの50%は、自分ではどうしようもできないパーソナリティを
素直に出すことなのかもしれない。
なにより、その方が人間らしい。
人間なんてどうしたって滑稽な生き物であって、
そこが愛すべき点でもある。
だから、格好いい衣服で「滑稽さ」を隠すのではなく、
それが「その人の味、その人の格好良さ」になる様な
人に寄り添ってくれる衣服が本当は良いのでは、と思う。
CITERAの服を見て
「なんかゆるいね」 「気が抜けてていい」
と言ってくれる人達がいるが、そういうことなのかも知れない。
自分としては、決して「ゆるい」とは思っていないのだけれど…