PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

STORY第5 回目はAIR QUILTED JKTについてです。
AIR QUILTED JKTは優れた撥水性、防風性を持ち、 軽くて温かいキルティングステッチ仕様の中綿ジャケットです。
アウターとしてもインナーとしても使える使い勝手のよい優れもの。
そして、それ以上に魅力的なものにするための CITERAの工夫とは?

4種の機能素材 ―

まず初めに、このジャケットを構成している素材を簡単に紹介します。
表地には「PERTEXR UNLIMITED」。
摩耗性、撥水性、防風性を持ち、 内側をドライに保つことのできる高機能素材。
中綿には「airpack」という、ダウンの様にソフトで軽い中綿素材。
裏地は蓄熱保温素材である「サーモトロン®」。
そして、アーム部には前回紹介した「NeoShell®」という素材。

サイトの詳細ページにこれら素材のことが書いてあるので 既にご存知かと思いますが、これらは全て化繊100%の機能素材。
表地、中綿、裏地、切替部分 どれも機能を目的とした100%化繊の優れた素材です。

キルトステッチ ―

このアウターのポイントでもあるキルトステッチですが、 中の綿がズレない様に施すものなので、 機能として意味のあるものです。
ご覧の通りこのジャケットのステッチは、角度の緩いV型です。
こうすることでストレートよりも現代的に見えてきます。
そして、ステッチ間の間隔を狭くすることで よりシャープな印象になっていきます。
さらに、そのステッチが強調される様、糸の太さは通常よりも 太いものに。
あまり太くしてしまうと機能素材にとっては負担となるので、 そこは負担のない様に調整。

糸を太くすることはステッチが目立つだけではなく、 表地にシワが出て表情が豊かになります。
化繊は綿ほど表情を出しにくい素材です。
化繊100%では特に。
化繊は機能的なことは非常に得意ですが、 質感的には綿ほど魅力を持たせにくい素材です。
ですので、少しでも面白く、 また魅力的に見えるための工夫が必要だと考えています。
デニムの濃淡、シルクの艶や天然繊維特有の凹凸感などは 時に目を奪う程の美しさを見せます。
当然、それに匹敵する質感は 化繊の機能素材からは得ることはとても難しいことです。

機能を求めた製品に、 素材が生み出す美しさなんて必要ないのかもしれません。
しかし、日々の生活の中で使われるものなら、 少しでも美しさや人を惹き付ける魅力的な部分を 持っていて欲しいものです。
そんな部分があればこそ、長く使いたくなるのだと思います。
CITERAでは、化繊でできた機能素材を使いながら、 天然繊維から感じることができる、 感覚に訴えかける何かを少しでも得られる様、工夫しています。





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