DIRECTOR’S JOURNAL

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

LFOM Vol.08

last friday of month 2020.1.31

2020年が始まってあっという間に1月も終わりに(このコンテンツは1/31更新なので)。
とは言っても1月って振り返ると意外と長かったようにも思えてくる。
正月休みで時間が止まったような出だしで、そんな崩れたペースを元に戻すのに意外と時間がかかる。かと思えば成人式の連休が来て戻りつつあったペースがまた狂う。
結局前半はリハビリみたいな状態で、後半になってやっとこさ正常感を取り戻したと思ったら「はい次2月ですよ~!」なんてせっつかれ、「?!そういえば1月何してたっけ?」とすっとぼけて。
1月なんてそんなもの。
とは言いつつも、2月はCITERA®も春夏シーズンが始まるのでそんな状態ではありながらも、諸々の準備を皆でスタートに向けて推し進めていたのです。



ということで今回のLFOMは、新シーズンについて小出しにしてみようかと思っています。
今シーズンもこれまでと同様にメインビジュアルとスタイリング・ガイドの2種のビジュアルを用意しています。
メインビジュアルはいつも通りに外ロケでダイナミックなものにしています。
しかしスタイリング・ガイドについてはこれまでとは違います。
しかも全然違う。

もの凄くパーソナルなものになり、これまで以上に服の雰囲気や必要性などが伝わるようになった、と自負しています。
どんなものになったかと言うと、自分がモデルになり「こんな時、そんな状況、あんな気持ち」で着る・使う、という風にシーンをかなり現実的に表現したものです。
それが写真に現れるように、CITERA®でも何度も時間を共にしたフォトグラファー・今津聡子さん(さとちゃん)と作りました。
撮影の後での僕とさとちゃんの会話はこんな内容です。





-永:いやー、面白かった。
写真撮られるの好きじゃない上に、自分を見るのも好きじゃないのになぜか今回はそれを全く感じない。自然にできたというか。

- 今津:そうね、それは撮ってて感じたかな~。
普段の永くんのままだった(笑)。


-永:普段からふざけてるから(笑)。
自分としては精一杯普通のつもりなんだけどね。

- 今津:撮ってて楽しかった。
出来あがって見る人にもその雰囲気は伝わると思うよ。


-永:そうだといいね。
まず作る側の僕らが楽しまないと受け取った側も楽しめないしね。
こういうブランドってそれが無いと成り立たないと思うし、「はい、こんなの作りました。
あとはお客さんが自分で楽しんでくださーい」ってそんな無責任じゃダメだし、面白く無い。
洋服にもその見せ方にもグルーヴ感が無いとダメだと今更ながら気づいた。

- 今津:今回はそれがあったね。
これまでも何度か一緒に撮ったけど一番リラックスしてたし、永くんがどうして欲しいのかも撮っててすぐにわかったから、こっちからも色々と言えたしね。
それも楽しかったからすごく画に出てると思うよ。


-永:グルーヴ感、大事だね。
居心地もよくノリのいい撮影空間だった。
アンジェラ姉さん(17FWのスタイリング撮影)の時もそんな空気感だったね。

- 今津:あれも良かったね。

-永:ただ二人でアンジェラ姉さんに惚れてたっていう(笑)。
さとちゃんは人からも物からもポジティブな雰囲気を写真に引き出す技術を持ってる人。
すごくエモーショナルというか、そちら側の気持ちも写真の上に乗ってくる気がする。
だからこちらも楽しくなれる。
普段通りと言えばそうなんだけどね。



- 今津:撮る時はちゃんと向き合って撮らないとダメだから。
服自体にはCITERA®らしさがあってこそだし、それが何なのかをちゃんと示せてこそ、それをこちらが理解して撮る流れなので、永くんが着ることでそれがよくわかる。


-永:モデルさんが着るのもいいんだけど、やっぱり「借りてきた猫」感が出てしまうから。
モデルさんでももちろんそうならないようにできるのだろうけど、いまはこのやり方のほうが合ってる、と思えた。
自分が着てさとちゃんが撮る。
ただの作業的なものでは良さが伝わらないなと。
今回も本当にありがとうございました。
また何かでご一緒しましょうね。

- 今津:いいえ、こちらこそありがとうございました、また是非。




今津さんとはこんな感じで普段から「ああでもない、こうでもない」と話をします。
残念ながらここではまだその時の画像は載せられないので、2月12日のシーズンスタートまでお待ちください。









こちらは何年か前にNYの料理専門書店「KITCHEN ARTS & LETTERS」で見たイタリアにあるレストランLe Calandreのシェフ、マッシミリアーノのレシピ本。
その本屋で見つけた時は重いし日本でも買えるだろうと甘く考えていたことで手に入れるまでに時間がかかりました。
でもおかげで新品を見つけられたので良かった。
NYで見たのはわりと読み込まれた感のある中古品だったので。





そのお店、シェフ、料理とかに興味があったのではなく、表紙に惹かれて手にとり、中を見たらその美しさに一目惚れ。
グルメ目線ではなくデザイン目線です。
レシピ本ではなくアート本ですね。
撮り方、色彩感、デザイン、どれも美しい。
レシピ本視点で見れば斬新なのだろうけど、作品集としてみればとても面白い内容の本です。
この手の世界は全く詳しくないのでよくわかりませんが、「ガストロノミー」として頂点にあった「エル・ブリ」のレシピ本の延長線上にある感じだけど、時が経ちさらに洗練さとポップ感が加わっている。
エル・ブリの本は今見るとちょっと古く見える感がなくもない。
でもこれを通り越せばクラシックになるのかなとも思える。





2020年CITERA®の春夏もあと少しで始まりますので、そちらも是非よろしくお願いします。