LFOM Vol.03
8月も、とうとう30日。学生たちも夏休みが終わりそうでがっかりしてる頃だと思いますが、ざまあみろでございます。
さて暑さもまだまだ続く晩夏の「LFOM」は3回目。毎回、最近の気になるヒト、モノ、コトを月末に報告していくコンテンツ。Vol.03のゲストトークは、スタイリストの梶雄太さんです。
-永:さて、どんな話をしましょうかね?
- 梶:何でもいいですよ(笑)
-永:何でもいいって難しいですよ(笑)。
では僕らの馴れ初めから。嘘です(笑)。
梶さんはスタイリストというお仕事をされているので、ファッションについてや外国についてとか、そんな文化的なことについて話しましょうかね。
どうしてスタイリストになろうと思ったんですか?
- 梶:まあ細かいことは言いませんけど、自分の中に価値観とか美意識とかあるじゃないですか。それがお洒落なのかファッション的なのか分からないですけど、ベストだと思うものが自分の中にあって、そこには絶対の自信があったんですよ。
それなのに雑誌とかお手本通りのスタイルをしている人が「ファッションの人」みたいな顔しているのを見て、そこには負けたくなかったし負けないためにはスタイリストになるのがいいと思ったんですよ。
スタイルを提供したり提案する側になって、手本とか誰かと同じ必要なんてなくて「ファッションは自由でいいじゃん!」と言いたかったんだと思う。
- 永:なるほど~、すごい説得力!かっこいい。僕もそうですけど、結構反抗的なタイプですね(笑)。
- 梶:結構反抗的だったと思います(笑)。でも永さんだってあるでしょ? そういう自分の中の価値観とか美意識とか。
そういうセンスみたいなものが大事だと思うし、それがある人とは職種とか関係なく仲良くなれる気がする。
-永:そうですね、僕も洋服のデザインをしてるから一応ファッション業界の中、いや、かなりギリギリもしくは境界線上にいるのかもしれないけど、そんな自覚も意識もなくただ自分の信じる美しいものとかかっこいいと思えるものを、観たり触れたり形にしたいだけというか。
だから梶さんとは自然と仲良くなれたんだと思います。「何かに屈しない」とか「負けたくない」みたいな精神を共有できる同世代の人として(笑)。
- 梶:なんだろうね。昔セレクトショップに上半身ハダカでリースに行ったりとかね(笑)。
-永:ほんとに!? やばいですよそれ。その話最高(爆笑)!
うちの方は海辺だからハダカの人いても気にならないけど、都会じゃびっくりするでしょ。リース先の人相当困ってたでしょう?
- 梶:名刺くれない女の子とかいましたよ(笑)。昔、暑くなるとすぐ脱いでたんですよ。
それで脱いだ服を忘れてきちゃったからそのまま終電に乗ったりして、自分の周りにモッシュピットみたいに丸くスペースができたりして。混んでるのに。
-永:あ~、僕も電車でそんな人いたら距離とりますもん。さすがですね(笑)。
- 梶:もちろんそれって、単に困らせたいとか迷惑かけたいわけじゃなく、まあ電車の件は別にして、言葉にするなら自分の仕事のテリトリーで一緒に楽しめる相手を探してる一つの行動というか。
それを楽しんでくれたり興味を持ってくれる人であればその人たちと時間を共有したいなって思うから。
だから永さんとも友達になったんだと思いますよ。
-永:あ、今日も偶然二人ともハダカでしたもんね。
- 梶:でしょ(笑)。
-永:雑誌ブルータスでモデルの依頼が来た時は「無茶なことする人がいるなぁ、でも面白い、乗った!」って思いましたよ(笑)。
ちょっとこの人普通じゃないなって。
-永:次の質問なんですけど、ファッションを仕事にしているじゃないですか。
それって表現の一つとしても捉えられるから、梶さんのスタイリストとしての仕事を通して言いたいこととか伝えたいことって何ですか?
- 梶:スタイリストをやっている上で、ファッションの組み合わせって厳密にいうと実は大事じゃないというか、ルールみたいなものはないから自由に遊ぶことが大事というか。「イェーイ!」って遊ぶとか。
何でもいいって訳じゃないですよ(笑)。
お手本に習う必要はないし、もっと飛び出すっていうか楽しいことをした方がいいっていうか。
-永:そうですよね。そもそも現代のファッションっていうものは嗜好品みたいなものだし、個人の自由というか、ルールなんてなくてもいいわけで。
だから自由に選べばこそファッショナブルになれるとも思いますし、そもそも僕はそういう自由さが見えたからこそファッションが好きになった方ですし。なんか本質的なものを見極めてる感じでいいですね。
- 梶:もちろんスタイリングも見て欲しいんだけれど、その自由にやるというスピリットみたいなものをファッションを通して若い人には伝えたいですかね。
-永:ちゃんと考えてますね(笑)。
- 梶:大人ですから(笑)。
-永:唐突ですけど、外国に行ったりします?
ほらCITERA®って快適な移動のためのウェアやバッグを作っているブランドだから、移動する機会の多い人の話も聞きたくて。
-梶:あぁ、なるほど。行きますよ。撮影で行ったりもするしプライベートでも行くし。
-永:次に行こうとしているところはあります?
-梶:ポルトガル行ってみたいかなぁ。
-永:あ、ポルトガルは僕も行きたいんですよ。
-梶:前にポルトガルの映画を観て、その映画の雰囲気がすごくよかったんですよ。
「私たちの好きな八月」っていう映画なんだけど、ポルトガルの山間部が舞台で、ヴァカンスを過ごす人たちや音楽フェスティバルの様子をドキュメンタリーっぽく撮ったもので、映像も音楽もすごくいい。
それ観てからポルトガルに興味があって。ちょっと暗い雰囲気もあったりするんだけど、そこがまた良くて。
行くならヴァカンス期がいいのかなぁ。
スペインまでは行ったことあるけどポルトガルってその先だから、ピンポイントで目指さないと行けない場所ですよね。
-永:ポルトガルって海に面してるから魚介が美味しいみたいで、それを食べに行きたくて。
まあそんなのうちの近所でもできるんですけど、ポルトガルの漁師の人たちが普段食べてる様な食事がすごく良くて。
焼いたタコにオリーブオイルかけただけとか、全然派手でも何でもないし、むしろちょっと貧しそうなくらいなんだけど、その光景がなぜか美しくて。そういう雰囲気を味わいに行きたい。
-梶:確かにポルトガルってちょっと陰がある雰囲気があってそこも惹かれる一因。
-永:梶さんはスタイリストなのでもっとファッションについて具体的なことを聞くべきだったのかもしれないけど、僕としてはもっと内面的なことが聞きたかったから、今日は良い話が聞けました。
スタイリストとしての自分なりの役割とかスピリットが聞けたのはとても嬉しかったです。
普段だとこういう話って改めて聞いたりしませんからね。インタビューとかでも聞かれないでしょうし。
-梶:そう言ってもらえるならよかったです、何でも聞いてください。
-永:今度何か一緒にできると楽しそうなので、是非何か一緒にやりましょう!
ありがとうございました。
-梶:いつでもやりますので連絡してください。こちらこそありがとうございました!
スタイリスト梶雄太さんとの楽しい会話でした。
梶さんは、何でもない楽しいだけの会話なのに実は奥行きのある話ができる貴重な友人。
また、極たまにモデルとスタイリストという関係で仕事(過去に3度ほど)をしたこともある不思議な間柄でもあります。
人気のスタイリストさんにそんな風に仲良くしてもらえるというのはありがたいことです。
さて、話の中に出てきたポルトガルですが、亡くなったシェフで作家のアンソニー・ボーデインがやっていた番組でポルトガルのリスボンに行った回がありました。
その番組を観て以来行きたいのですが、ポルトガルの音楽、政治、市民生活などにとても興味を持ちました。
街も綺麗でいつかは行ってみたい国です。
国ではありませんが行ってみたいイベントがこの週末あります。「東京JAZZ FESTIVAL」。
毎年行われているのですが、今年はポーランドのWOJTEK MAZOLEWSKI QUINTETが代々木体育館横並木道のフリーステージで9/1(日)16:40~から演奏するそうなのでそちらを聴きに行こうと思っています。
詳しいことはこちらのイベントを検索してみてください。
ハービー・ハンコック、チック・コリア、カマシ・ワシントンなど興味あるライブが多々あります。
東京JAZZ FESTIVAL HP:https://www.tokyo-jazz.com/
音楽ついでに、Grateful Deadが1987年に行ったツアーのTシャツがかわいくてずっと欲しくて探していて、オリジナルは当然のこと、ブートさえ見つけられなかったのですが、先日ようやく香港のサイトでブートを見つけたので買ってみました。覚悟はしていたのですが、非常にクオリティが低いのは残念。
以前、ロンドンのデザインミュージアムで見たオレンジ色のかわいいキーボード。調べてみると、子供用の自作コンピューター「KANO」に付属されているものでした。
iPad用として買ってみたのですが、残念なことに付属のUSBを本体側にさしてBluetoothで飛ばす方式だったのでiPadでは使えずでした。
しかしトラックパッドがついているので最近事務所のMac用に使い始めてみたところ、机の上に色が増えて仕事が少し楽しくなりました。
ちょっと残念な買い物が続きましたがめげずに買い物し続け、これからも、よかったものも悪かったものもこちらで紹介していきます。 それでは来月末の「LFOM」をお楽しみに。