LFOM Vol.06
朝晩がようやく涼しくなって快適に過ごせるようになってきました。
「暑さ寒さも彼岸まで」の通りですね。
ここから秋の味覚を楽しみつつ、年末の予定を考えたりしてワクワクする日々がやってきます。自分の場合。
さて、そんな9月の終わりもこちらのコンテンツが更新されました。
今回Vol.06のゲストトークは、10月16日にミニアルバム「Take Me Down」がリリースされる、歌手でありミュージシャンの武田カオリさんです。
-永:ありがとうございます、オファー受けていただいて。今日はよろしくお願いします。
- 武田:いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。
-永:10月に新譜が出るということで、その話もそうだけどカオリちゃんの音楽にまつわる話を聞きたいなと思って。
少し前にトレイシー・ソーンの自叙伝みたいのが出てて、カオリちゃんのインスタ見たら「トレイシー・ソーンが大好きだ」みたいなことが書いてあって。
- 武田:そう、今でもトレイシー・ソーンはNo.1、一番好きです。
初めて知ったのは19歳くらいだったと思うんだけど。当時のディレクターに聴かせてもらって知ったのかな。
でも、それまではR&Bシンガーになろうと思ってたんだけど。
- 永:えっ、そうなの?!
- 武田:そうなの(笑)。当時はTLCとかSWVとかその辺りのR&Bがめちゃくちゃ好きで、最初にデモテープを送ったのもそういう曲だったと思う。それで興味を持ってもらえて。だからそれまではトレイシー・ソーンとかシンガーソングライターみたいな音楽を自ら聴いたことはなくて。
-永:それは驚き。まあそれはこっちの勝手なイメージで驚いてるだけだから、カオリちゃん的には「え、そう?」って感じだと思うけど(笑)
- 武田:当時のディレクターが「こういうの合いそう」って聴かせてくれたのがEVERYTHING BUT THE GIRLとかで「え、これめっちゃいいじゃん!」となって。
今もその時と変わらずにトレイシー・ソーンは大好きなんだけど、ただその時は「ビビビッ」ときた訳じゃなくジワジワと好きになっていった感じかなぁ。
-永:なるほどねぇー。僕のカオリちゃんの入り口はTICAだから「トレイシー・ソーン大好き」って聞いて、それは何の疑いもなく頷けたから、高校生くらいから聴いてる人だと勝手に思い描いていた(笑)。
*武田さんはギタリストの石井マサユキさんとTICAというグループでの活動もしています。
- 武田:高校生の時Des’reeがすごく流行ってて、アルバムのライナーノーツに「シャーデーの系譜」って書いてあったから、「シャーデーも聴かなきゃ!」って思って聴いたんだけど「ん?全然違うじゃん……」って。
-永:ピンとこないな~って?
- 武田:そうそう。ちょっとサウンドが大人っぽかったからその時は響かなかったんだけど、20歳を越えて聴いてみたら「何でこれが分からなかったんだ!」って(笑)
-永:高校生の時って他はどんな感じのものを聴いたりしてたの?
- 武田:それこそその頃普通に流行っていたスウェディッシュポップとかも聴いてたかなぁ、今では名前も出てこないけど(笑)
中古CD屋で流行ってた洋楽を買ってすごい聴いてたなぁ。あと、お姉ちゃんがすごいノリの良い「イェーイ!」って感じの真逆のタイプだったんだけど、よく洋楽を聞く人でその影響があったかな。
-永:あ!前に一度会ったことある。確かにすごく元気のいい人だった(笑)。
- 武田:そのお姉ちゃんが家でマイケル・ジャクソン、マドンナ、プリンスとかレコード聴いたりPVを観てて。
小学生の頃からそんな感じで洋楽を聴いてたのかな。
-永:英才教育(笑)。そいう幼少期があったからジャンルとか関係なく音楽を聴ける人になったんでしょうね。
- 武田:どうでしょうね。まあ、マッシブ・アタックとかジョニ・ミッチェルとか聴きながら、ブリトニー・スピアーズも聴いてましたよ。
あとイギリスのアイドルグループの何だっけ、あ、オール・セインツとか(笑)。
-永:ジャンルとか一切関係なく聴いてるね(笑)。そういうのが一番いいと思うんですよ、結果として。
- 武田:でもねぇ、実はいわゆる邦楽というのを若い時は聴いていなくて、30歳過ぎたくらいから聴いて「何でもっと早くに聴かなかったんだろう?!」とはなりましたね。
-永:それは意外。やってる音楽ってサウンド的には洋楽がベースになっててそこに日本語が乗っているから結構参考にしたりするのかと思ってた。そうではなかったんだ?
-武田:うん。その辺りの意識はしていなかったけど、高校生くらいの時にだれかのインタビュー記事にそういうことが書いてあって、
「"言葉"だったらそれにあうメロディがある」みたいなことだったと思うけど、それを読んでからは日本語の響きとメロディの関係は意識する様になったかもしれない。
-永:なるほど、日本語の歌を聴いてそこから言葉の乗せ方を見つけるとかじゃなく、言葉自体の響きからメロディに合う日本語を拾っていく感じでやってきてるんだね。
-武田:そうですね。
-永:それでTICAでのデビューは?
-武田:2000年にデビューするんだけど、当時V2 Recordsっていうレーベルからデビューして。
そこがアンダーワールドとかステレオフォニックスとかがいたイギリスのレーベルなんだけど、そのレーベルの日本第一弾のアーティストってことで、事務所もSMAだったから一応メジャーデビューではあるかなと。
-永:一応どころか立派なメジャーデビュー。2000年てことは来年でデビュー20周年じゃないですか!それでPepe Californiaと一緒に新譜を出すことに?
-武田:今回のはそういうわけではないですけど、Pepe Californiaのことは随分前から知ってたんだけど音楽を一緒にやるなんて考えたこともなかったから(笑)。
20周年に関しては、今ソロアルバムに取り掛かっていてそっちは「100%武田カオリ」って感じです。
来年リリース予定なので。
-永:お!それはすごく楽しみですので期待しています。で、何でまたそう思っていたPepe Californiaとアルバムをリリースすることになったの?
- 武田:いや、それはね、去年の夏に銀座のソニーパークでPepeがライブをやることになり、普段とは違うことがしたかったみたいでPepeのトシ君が「TICAのカヴァーを一緒にやりませんか?」って言ってきてくれて。
でもちょっとできるか不安だったんですよ。
TICAは結構複雑な展開の曲とか多いから「できるのかな?」って。
2コードのシンプルな進行だったら良いんだけど、そうじゃないとリハとかに時間を掛けないとだめだし。
それぞれ忙しい中でのそれは難しいんじゃないかなって話してたんだけど、TICAの「NIGHT GUITAR」って曲は2コードだから「それならできるね」となり、それはやろうと。
でもライブだから40分くらいはやらないといけないし、負担なくできる方法を考えて彼らインストバンドだからそこに唄をのせよう、と提案したんですよね。それで彼らの曲に唄をのせたデモを送ったら「すごいいいじゃん!」となって今回のミニアルバムが出来上がったわけなんです。
-永:何かいい流れですね(笑)。
- 武田:そうですね(笑)。
-永:今回のミニアルバムは、その時にライブでやった曲をスタジオ録音したものになるの?
- 武田:それもあるけれど元は彼らの曲だから「やっぱりそのままのインストの方がいいね」ってなった曲もあって。
ヴォーカルのメロディだけ残してアレンジし直して録音した曲もあったし、アルバムタイトルの「Take Me Down」て曲は、新しく作ったトラックをもらって、私の方でメロディ付けたものなんだけど、それはライブではやっていなくて。
初めはTICAのカヴァーのために作ったトラックだったけど、結構BPMが早かったから唄のせるのが難しくて。
でもトラックがよかったから私が持ち帰ってメロディを作って仕上げ、新しく録音した曲もあります。
それぞれの曲が違う成り立ちだからすごく面白かったし、何だかとてもフレッシュです。
-永:「作ってて面白かった」っていう言葉を聞くのはリスナーとしてとてもいいよね。
そういう話を聞くととても聴きたくなる。もちろんカオリちゃんの作品はそもそも聴きたいんだけど、そういう過程があってとても作業が面白かったと本人から聞いた上で聴くのって、聴く方としても全然違うというか、作品をさらに楽しめる要素というか。イメージが膨らみますよ。だから早く聴きたいんだけど、10月2日リリースじゃなくなったんでしょ?
- 武田:ジャケットの仕様にこだわったみたいで遅れてるみたい(笑)。でも10月16日に決まりました。
-永:おぉ、よかった(笑)。じゃあ10月16日にCD、レコード、配信の形での無事リリースされると。
- 武田:はい、そうです。
-永:ではそれまで楽しみに待ってますね。今日はどうもありがとうございました。
色々と知らない話が聞けて、ファンとしては嬉しくも楽しくもありました。
そして来年のソロアルバムも今から楽しみなので、また是非お話を聞かせてください。
- 武田:こちらこそありがとうございました。
歌手の武田カオリさんと楽しい会話でした。武田さんとは同じレーベルからお互いにCDを出しているという間接的なつながりがあります。
といっても僕の場合はベスト盤がそのレーベルからリリースされたというだけですが……。
それと共通の友達もいたりして、挨拶はさせていただいていました。
もちろんそこは一ファンとして一線を引いて遠慮気味に。
さて、武田さんとPepe Californiaによるミニアルバム「Take Me Down」が楽しみなわけですが、普通ならサンプル盤を先にもらって曲を聴いて話をするのがインタビューの基本ですが、今回は全く聴かずにお話を聞きました。
もちろんリリースされたらCDもしくはレコードのどちらかを買って聴きます。
基本的に僕はあくまでも一リスナー、一ファンとして買って聴きたいタイプです。
その方が健全な気がします。もちろん昔はサンプル盤をもらえることが羨ましかったり、実際にもらったりして嬉しかった経験もありますが、自分がCDを出す側になりそう思うようになりました。
さて、今回のお話し中の写真で着ているジャケットはCITERA®のAUTOBAHNというジャケットですが、これ非常に調子が良く、売れ行きも良いようでサイズによっては欠けてきている程です。
これまでジャケットを着たくても、着たくなるようなというか自分の生活感にフィットするジャケットに出会えなかったので、自分で作ったわけです。
カバーオールやスウィングトップでも羽織る感覚なのにちょっと大人に見える。
もちろん大人が普通に会社に着ても行けますし、他と少し違っていてちょっと気分が良くなるジャケットです(笑)。
次もCITERA®のもので今回は完全に手前味噌な内容ですが、ちょうどリリースされたばかりのこちらの小ぶりなバッグ。
そろそろこのくらいのサイズのバッグが使いたくなったので作りました。
まあ特に何か特別なことがあるかと言われれば何もありませんが、子供っぽくないけど大人になりきれない僕みたいな人間にはちょうどいいデザインと使い勝手のショルダーバッグです。
今旬なラグビーボールみたいな形(本当はアメリカンフットボールと言いたいけど時期的に)で、かわいくもあり高級感もあるものです。今使いたいものがこれ、ということです。
また色々と買ったものがあったのですが、勿体ぶって次回紹介します。それではまた来月末のLFOMをお楽しみに。