DIRECTOR’S JOURNAL

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

LFOM Vol.02

last friday of month 2019.07.26

さて、先月から始まった「LFOM」。その意味は「月末の金曜日」。永直樹責任編集で最近の気になるヒト、モノ、コトを月末に報告していくコンテンツ。
Vol.02のゲストトークは、クリエイティブディレクター/アートディレクターの後智仁さんが登場です。



- 永:すごくいい事務所だね。南青山っていう場所もそうだけど建物の感じが外国っぽくていいね。

- 後:天窓とかは元々だけど内装は結構手を掛けたから。

- 永:そうなんだ、働きやすそう。
0から何かを作るのにはピッタリな空間。さすがクリエイティブディレクター(笑)。
で、何のクリエイティブディレクター/アートディレクターなの?

- 後:今更それ聞くの?

- 永:友達だけど仕事のことを話し合ったことないし、もちろん少しは知ってるけどこれ見てる人にも説明しないとさ(笑)。

- 後:確かにそうだ(笑)。広告のクリエイティブディレクター/アートディレクターとしてWHITE DESIGNという会社をやってます。

- 永:元々は博報堂出身というね。

- 後:やっぱり広告のデザインをするならメジャーを知っておかないとダメだなと思って。それで大手広告代理店に入らないとな、と。

- 永:なるほど。で、今では大きなクライアントの仕事をしていると。関係ないけど、僕はその真逆でマイナー沼の中でもさらに底にいる感じ(笑)。

- 後:ナマズじゃん(笑)

- 永:いや、そんないいものではなくミドリムシとか微生物ってところかな。今日は僕のことはよくて。基本的に仕事の仕方ってどうしてるの?広告のクリエイティブディレクターの一般的なイメージっていうと、言葉である程度指示を出せば周りの人たちが形にしていくみたいなイメージだけど、やっぱりそうなの?

- 後:俺はね全体的に自分で手を動かしたり作業現場にも行く派かな。Macでの作業もするし、フィルムの色調整の現場にも行くし、選曲だってするし。割と何でもするし全行程に顔出して指示もするかな。
でも最近わかってきたんだけど、広告業界のクリエイティブディレクターってどうやらそうでもないらしくて(笑)。もちろんどっちが正しいとかではなく、自分の場合はその方が良いものになるし、ちゃんとモノを作っている人でいたい。


- 永:あぁ、それわかる。モノを作る人の責任とかもあると思うんだけど、そういうことは関係なくただ単にそうしてたいっていう。

- 後:そうそう。とにかく代わりがあるものにはなりたくないし、代わりがないものの方が素敵なことでしょ?
誰に頼んでも良いものだったら俺に頼んでこないだろうし、指名度を高く保つにはそっちの方がいいでしょ(笑)。


- 永:なんだろ、モノを作る人というか作ることが好きな人というかね。そういう方が人として素敵だと思う。 仕事で海外行ったりするとき、CITERA®のバックパックも使ってくれてるみたいだけど使いやすい?

- 後:うん、構造とかポケットとか使いやすくて気遣いがあるなと。

- 永:でしょ(笑)。で海外の人たちとの仕事はどう?

- 後:それぞれの立場の人みんなが、画を良くするためにちゃんと意見を言ってくるから楽しい。例えば、日本だとヘアメイクが画のことに意見してこないけど、あっちはしてくるとかね。
モデルの状態がこうだからメイクはこっちの方がいいとか、髪質がこうだからこっちのヘアスタイルの方がいいとか。ゴールは変えないけどより効果的なことがあれば色だって変えようってなる。
日本だと「ダメでもその色でいいです!」みたいな。海外は意見を言ってより良くなることを良しとしている。
日本は約束を守ることを良しとしているから、そこが大きな違いかな。もちろん国それぞれのやり方があるからどっちが正解ということではないんだけど、そこは単に好みの問題だよね。自分がどっち寄りかっていう。


- 永:そこのどっちがいいかってのはモノを作るスタンス次第だね。海外の仕事で面白かったことは何かある?

- 後:自分のためのDJを連れてきちゃうカメラマンとかね。

- 永:なにそれ?!すごいね(笑)

- 後:気分の具合に合わせて選曲させたりしてさ、調子が盛り上がってきたら音楽も盛り上がるみたいな。
それって僕らからしたらすごく奇怪だけど、自分のパフォーマンスをあげるためなら何でもするってことだし、それができる自由さがいい。
そんなことする人は日本にいないもんね。「いい結果を出すならそれも良し!」って周りがそれを当たり前の様に受け入れるおかしさというか、すごさというかね。そういうのを見て勇気が出たというか。良い結果を出すために恐れずに意見したり行動する勇気がね。


- 永:いいねーそういう現場。確かに勇気でるし何だか勉強になるなぁ(笑)。いい話を聞いたついでに最近始めた家具屋「NICK WHITE」のことを教えてよ。

NICK WHITE https://nickwhite.tokyo

- 後:あ、NICK WHITEね。Mid-Century MODERNにいた友達と話してて何か面白いことできないかねってなって始めたの。
ヴィンテージものがメインでオブジェとかも置いてる。
でも、ただの家具屋じゃ面白くないから小物とかお土産みたいなアパレルとかも作ろうってなって。それが今面白くてね。
個人的に家具屋がやりたかったわけではないけど、何か自分が面白くなれることをやりたかったんだよね。
それがその友達とのタイミングもあって家具屋という形になったって感じ。


- 永:なるほどね。でもさ、広告のクリエイティブディレクターが家具屋ってのは唐突だけど、ジャンルの違う人がやった方が面白いものができるときがあるからね。その業界の常識を知らないからこそ誰も思いつかない新しいものを産むことができるというか。

- 後:前はさ、自分がやってること以外はあまりできないというか、越えられないって勝手に思ってたんだけど、やったことないことでもできないなりに一生懸命やれば充実感を得られるっていう世界が見えてきて。それがすごく新鮮で楽しい。

- 永:それって素敵なことだよね。楽しんでやるのが一番いい。そういう体験をもっとするために今後何か一緒にやるのも楽しいかもね!



クリエイティブディレクター/アートディレクターの後智仁さんとの楽しい会話でした。
海外の人たちとの仕事は刺激が沢山得られて羨ましい限り。また僕も海外に行きたくなってきて、次はどこへ行こうか、夏の避暑地に行ったりするのもいいかな、なんて考えています。
最近は気温が高くなってきたこともありバックパックからこの3WAYバッグに切り替えました。
次の旅行はスーツケースとこのバッグで行こうと思っている今日この頃です。


突然普通のコンバースが欲しくなっていたところ、スニーカーショップの前を通りかかったので店内に入り物色していたら、ドイツ製のadidas STAN SMITHがあったので思わず購入(もちろん再販版の)。特にスニーカー情報を追いかけたりはしないので、たまにこうやってお店に入ると発見があって楽しい。このSTAN SMITHは普通のタイプと特別違いはないけどやっぱりどこか丁寧さがある様に感じられる。思い込みもあると思います(笑)

梅雨空から夏の空に変わり関東では梅雨明けまであと少しという状態になり、気温も上昇しているのでそろそろショーツを履こうかなと。今年はこれを。

湿度と気温の高い時季は少しでも涼しく快適でいたいもの。僕の場合、耳から涼しげな音を入れて気分だけでも涼しくしようと日々こんな音楽を聴いている。アフリカの民族楽器コーラやムビラの乾いた音で涼を取る。KORA JAZZ BANDはスピード感がありスリリングな雰囲気。ムビラ奏者Garikayi Tirikotiとクラシックギター1本のEarl Klughは心穏やかになり体温も下がってクールダウン。

それではまた来月末のLFOMをお楽しみに。