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トリップレポートは随分と久しぶりな気がしますが、ご無沙汰しているうちに世界は閉ざされてしまい、旅どころか近所外出まで自粛要請されるという事態になったわけです。もちろん日本は制限された訳ではないけど、気軽に出かけられる気分ではない。こんな事態は初めてなので何とも不自由に感じつつも、旅すること同様に家に引き篭るのも好きなので、これを機に手がつけられていなかったことを一つ一つ片付けていると結構忙しかったりする。
玄関周りの片付け、バスタブのスカート外し、工具箱や引き出し内の整理、ブラインド調整とか、このまま家の中でのことを書き続け「非トリップレポート」を提出してしまうのではないかと思うほどである。
そんなことを書いていても仕方ないので、1月末に行っていたロンドンの街の模様の写真をお届けします。そして、Instagramの方にはこれまでに行った各地のレポートで使われていなかった写真をアップしていこうと思っています。また世界を行き来できる日が来ることを願い、分断のないWEBの世界でだけでも旅をしている気分を続けられるように。
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さてロンドンの街。この頃はまだウィルス騒動も無くBBCのニュースでも殆ど報じられていなかったくらい。今ではすっかり外出禁止でゴーストタウンの雰囲気だそう。レンガの建物と店舗部の色のコントラストが気分を高揚させてくれる。
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夏以外基本的に曇りが多く、晴れていても雲が出て来ることが多いので、街行く人にピントを合わせて見るととても雰囲気のある通りの写真になる。
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曇ったり雨が降ったりしていても、雲の隙間から日差しが届くこともよくある。微かな光が建物の窓やバスの窓に反射し、薄暗い通りでも印象的に見えてくる。
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空が低く見えるのは視界いっぱいに広がる低い雲のせいなのだが、ダイナミックな光景でとても絵になる。
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雨上がりの晴れた空と公園内にあるギャラリー。中で絵を見るよりもこの景色を見ている方が気持ちが豊かになる。芝生、レンガ、空、雲、裸の木がディテールだらけの絵を描き出す。
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ちなみにこの建物の中は想像とは違いミラー調の床に黄色いライティング。
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Tate Modernエントランス部の吹き抜けは壮観。
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その吹き抜け部の床自体がこのような作品になったこともある。
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Tate Modernは特別展示以外は無料で観賞できるので、課外授業の生徒が多くいる。
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Tate Modernのトイレもこう切り取ると作品に見えて来る。
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汚いものをもう一つ。街角で見た魅力的なゴミ箱。
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本棚の展示とトルコ人街の商店の棚に似たものを感じる。
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街をぶらぶら歩いているとグラフィティだらけの古いタイプのスケートパークが現れる。
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小さな街の通り沿いのなんてことない食堂。仕事帰りに店内モニターに映るサッカーを観ながら一人ビールを飲む人、近所のゲイカップルが肩を激しく動かし楽しそうに夕食をとる姿。日常には様々なストーリーがあって面白い。
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これがお菓子なのか惣菜なのか写真からでは判断つかないが、この狙ったわけではないであろう色彩感に目を奪われる。揚げ物の薄茶色を引き立たせるために存在しているかのような青い棚とお菓子のパッケージ。
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Borough Market(バラ・マーケット)にあるレストランからロンドンブリッジ横にある高層ビルを見上げれば、自分の生活圏と同じ様な光景がある。特別な時間であるはずの旅が、実は日々の生活と大して違いがないことに気づく。当たり前すぎて気にも留めない身の回りの環境を大切にすることを改めて思った瞬間。まさに今それが必要な時だと思う。当たり前こそが素晴らしい。