TRIP REPORT

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

外国に行って街を歩くと必ず目に留まるものがある。
それは建造物に付属するものや通りに置かれているものなど。
サイン、ボタン、スイッチ、消火栓、ゴミ箱その他様々。
国によっても違うのだが欧米のそれらはとても魅力的に見え、「私を撮って」と甘い誘いをしてくる様で、ついつい写真におさめてしまう。
気づけばスマホの中はそんなものだらけで今にも破裂しそうだ。



日本にはめっきり減ってしまったゴミ箱も外国に行けばそこら中にある。
SFキャラクターっぽいものから未来家電の様なものまで様々。
しっかりとデザインされている。



シェアバイク置き場の精算機だが、ポートランドで見たものはロゴまで入ってさすがNIKEの本拠地といった感じ。




マンション出入り口に埋め込まれているインターホンが何ともかっこいい。
映画「2001年宇宙の旅」HAL 9000を思わせる様なものや、子供だったらひっぱたかれるまでボタンを押し続けてしまいそうなものまで。




火災報知器なんて本当に素晴らしい出来だ。
押したり引いたり開けたい気持ちを何とかおさえ、写真におさめる。
これらの装置を睨みつけ、ブツブツ言いながら鼻息荒く写真を撮っている姿は、さぞ怪しいことだろう。
とにかくテンションが上がる。




何の装置かよくわからないが、このHONEYWELLの装置は見つけると小躍りしてしまう。
まず名前がいい。空調設定や電気のマスターコントロール機器メーカーなのにHONEYとつけるあたりがにくい。
蜜蜂が花に蜜を取りに行く様に写真を撮りに行ってしまうではないか。
勘弁して欲しい。




お雛様とお内裏様の様に並んでいる券売機。
チケットを買いもしないのにしばらくじろじろと見て写真を撮っていると、必ず後ろに迷惑そうな顔をしたご婦人が立っている。



どこだったか忘れてしまったがこの洗練されすぎたトイレの手洗い場では、昔のSF映画によくある宇宙船内に迷い込んだ主人公が、手を中途半端に広げ中腰でゆっくりと辺りを見回すあのシーンを本気でやってしまった。


何かの注意を促しているのは分かるが、何を注意したら良いのかさっぱり分からない。つい写真を撮ってしまったもの。



消火栓に鏡面仕上げが必要なのだろうか?
そしてこの発色の良い黄色を持ってくるあたりに、美意識の高さがうかがい知れる。





もちろん日本にだって甘い言葉でささやきかけてくる場所が色々ある。
地下鉄がその一つ。地下鉄の連絡通路などではあちらこちらから声がかかって一向に先に進めない。
こういった案内や地図の納め方に胸躍らせ止まっては写真を撮り、今日も電車に乗り遅れるのである。




しかしこの矢印はなぜ筆書き調なのだろうか?

街の細部には多くの謎が散りばめられている。
我々は無意識のうちに、その謎に導かれ考えさせられながら日々を過ごしている。
これら「街のディテール」はその街と人の質をあげる大切な要素となっているのだ。








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