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オーストリアはウィーンへ。
ウィーンは音楽の街と言われるが、それはモーツァルト生誕の地だからだろう。そして歴史がのしかかってくる街でもある。
建物、食文化、芸術などを通じ、数世紀前の空気の中に放り込まれるようで時間軸の感覚がおかしくなり、とても心地の良い刺激を受けるのだ。
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繁華街入り口の目印とも言えるオペラ座。ライティングの妙。
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繁華街のど真ん中に突如現れるシュテファン大聖堂。迫力が凄い。1359年に完成したオーストリア最大のゴシック建築なんだとか。
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ペスト記念柱。17世紀に10万人以上の犠牲者がでたことで建てられたそう。バロック様式を代表する彫刻だそうだ。
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ウィーンの食品マーケット「ナッシュマルクト」に来た理由は加工肉屋のURBANEK。
ドイツやオーストリアの食事といえば加工肉。温かくない食事。3代続くこの店はウィーンでは「特別な場所」だそうだ。
狭い店内で隣り合わせた女性からそう言われ理由を尋ねたところ、様々な種類の人たちがひっきりなしに現れ情報を交換していくのだそうだ。もちろん情報目あてではない。置いてある加工肉、チーズ、ワインの質の高さに人が途切れることなく現れる。
残念ながらお酒が苦手なのでスモールプレートをみんなに笑われながら炭酸水と共に。ウィーンに来たらまずここに来るといい。そして「日本から来た」と一言いえば、エイリアンの様に物珍しい扱いでもてはやされ、ガイドなんかに載っていないレストランや名所を店主や隣合わせた人たちから教えてもらえる。
この街は小さな範囲に美術館や博物館などが多く存在する。
ガイドには、「特に面白いと言われているのは様々な要素が集まったMUSEUM HEADQUATER」とあるが、時間がなかったので街の外れにある軍事博物館と装飾芸術美術館MAK、要するにデザインミュージアムこの2つに行くことに決めていた。
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軍事博物館は14世紀あたりから20世紀までの戦争に関した資料が納められている。ヒトラー生誕の地でもあるからか、ナチスドイツの軍服やポスターなどの展示もある。
興味深かったのは鎧やライフルの装飾の凄さだ。すぐれたデザインが施されたものは階級の高い人向けのものだろう。
だからこそ今でも残っているのだろう。東欧の地にわざわざ見に来る価値がある。
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デザインミュージアムは展示以上に建物が素晴らしい。
展示されているものでは、絨毯の展示方法が素晴らしく一見の価値あり、という具合だ。薄暗い部屋に美しい模様が浮かび上がり、その絨毯自体も浮かび上がっている。暗かったので残念ながら画像はありません…。
行けなかったのだが、このミュージアムに併設されるレストランの現代的なオーストリア料理がよいらしい。
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そして日本でウィーンといえばチョコレートのデメル。日本では猫の舌のチョコレートが有名だが、本国では全く相手にされていない雰囲気。ほんの少ししか置いていない。
ヨーロッパらしい装飾的な店内に豪華に陳列された商品や、生菓子などが並ぶ。そしてショーウィンドウも実に可愛い。