PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

今、誰一人同じ状況、状態、気持ちの人はいないと思います。僕もその内の一人です。だからみなさんそれぞれの発言や行動に間違いなんてなく、いちいち人と比べて考える必要なんてないのです。

なーんてこんな時期だけに深刻そうに始めてみちゃったりしましたが、だからと言っておふざけ調で始めても「なんか無理して元気出しちゃってるな」とも思われそうな難しい昨今であります。ということで普通が一番という結論に至りいつも通りに進めます。ただ、そこに至るまでの経緯として↑みたいな書き出しにしてみました。



さて、この春夏は昨年評判の良かったAUTOBAHNを細かい箇所の修正を施して同じ生地で再リリース。秋冬には季節に合わせた生地でのリリースもあり、昨年購入できなかった人も含めある程度の人の手には届いたのかなというところです。今季はBAHNHOFという似た様なタイプのジャケットも出したので、どちらにしようか?なんて迷った方もいたかと思います。そこでよく耳にするのが「どう違うの?」という声。




確かにパッと見た感じは似てますよね。あまり興味のない人にしてみたら「似てるどころか同じでしょ」なんて言われそうですが……。まあそういう人に一生懸命細かな違いを力説したところで何も分かってくれないでしょうし、分かってもらう気もないのでしませんけどね。なのでそんな人には「品名が違います」と言っておきましょう。



じゃあ興味がある人にその違いを話すならどう言うかというと、「品名が違います」。
というのは冗談で、まず、商品名のAUTOBAHNとはドイツの無制限速度区間のある高速道路のことで、制限はあるけど無制限もある。それが意味するのは、ある程度世間から飛び出したいという気持ち。アバンギャルドまではいかないが少しだけ人と違うタイプ、という感じ。

で、BAHNHOFが意味する鉄道駅はというと、鉄道はダイヤが決まっていて時間を軸に運営している、言わば真面目なタイプ。今書いた2つのことをより簡潔にいうなら「BAHNHOFの方が印象として着やすい」ってこと。違いはそこです。多分わかりにくいと思いますが、正直に言って物自体には明確な違いなんてありません。もちろんデザインとかカットの違いはありますが、その時の選ぶ気持ちに委ねているということ。



すごく無責任な言い方かもしれないけど、どっちだっていいんです。どちらもありそうで他にないものってことは確かで、普段着の延長でジャケットが着れるし、仕事にも普段のお出かけ(今はお出かけなんて気軽に口にできないけど……)にも着れるのだから。二つ持っていたってその日の気分で選べばいい。似たようなシャツやTシャツを何枚も持っているのと同じように。似たようなTシャツやシャツに「何が違うんですか?」なんてナンセンスなこと聞かないのと同じ。



ジャケットだからって明確な違いとか求めず、その時の曖昧な気分でいい。だからそんなに明確な違いを持たせてもあまり意味がないし、無理に違いを出しても僕にとっては不自然なだけで心から欲しいものにはならない。コ〇〇ギャルソンでは違うでしょうけど、CITERAはジャケットでそこまで明確な違いを出す意味もそんなにないと思ってて。だってアバンギャルドなものを作るわけではないし、求められているわけでもないですし。

高速のパーキングエリアがどこも似ているのと同じというか、その方が安心感があったりしますし。CITERAは他と違いながらも安心感のあるブランドでいたいわけです。普通なようで普通じゃない、だけど安心できる。どこかに出かけ家に帰って来てほっとするような居心地の良いブランド。そんな風になりたい!とCITERAさんは申しておりまして、代わってここに書かせていただきました。

心も身体も健康で健全でいられるように今まで以上に努めてくださいね。自分を守ってくれるのは自分です。まず僕は僕を守ります、それでこそ家族や周りに気が配れると思っています。皆さんの健康と安全を願っています。



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