PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

STORY第24回目はCITY PACKERについて。
2018年も幕が開け、新春とは言うもののここからが、冬本番という感じだ。

CITERAが始まってからスローペースではあるが、5型のバックパックをリリースしてきた。
今期出したCITY PACKERは、ウールを使ったざっくりとしたパイルの様な表情が面白く、スポーツタイプなのに季節感も持った他にない雰囲気のあるバックパックである。

スポーツ・アウトドア系のバックパックでありながら、他とは違う雰囲気に仕上げるにはどうしたらよいのか? ということを考えていた時、洋服では素材で季節感を出したりするが、スポーツ・アウトドア系ではそういった観点でメインの素材を選んでないように思った。
軽さや強度を求めるのだからそもそもその必要がないのは当然なのだが、そうであるからこそどのブランドも似たような素材使いとなり、他との差別化は非常に難しくなってくる。

大型スポーツ店などに行き、壁一面にバックパックが並べられているのを見ると、大体どれも同じに見えてしまう。
その時々で形と素材は流行りのものがあるのだからどうしたって似てきてしまう。
ブランドが違えど同じ用途のものを作るわけだし、そういった事情で見た目が似てくるのは仕方ないが、それにしてももっと個性を持たせた方が市場も面白くなり、より活性化されて今以上によい製品が出てくるに違いない。
などと考えてしまう。

だからこそCITERAでは他とは違う雰囲気のものを、となる。
とはいえ「CITERAらしい製品を!」という理由だけでただ奇抜なものを作ればいいわけでもなく、他のブランド同様に使いやすさや機能性も持ちつつ、普通っぽくて普通でないバランスのよい製品の開発を心がけている。

CITERAのブランドコンセプトは「快適な移動」。
この「快適な」とは自分自身が快適であることは当然だが、見ている人にもその様が伝わらないと意味がないと思っている。
「快適な移動ができるスマートな人」であるためには、使っている本人同様、製品自体に「品格」がなくてはならない。
製品の目的は使う人の生活をサポートすること。
新しい製品は、今以上に生活を快適にさせなくてはならない。

昔も今も製品に求められていることはそれであり、物が溢れた現代だからこそ作る側も使う側もそれを意識し、日々過ごしていくことが大切である、と風邪をこじらせながら年始に考えていた。
そういった想いをもって今後も新しい製品をリリースしていきますので、本年もCITERAを宜しくお願いいたします。

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