7月に入りまして関東では梅雨もまだ明けぬというのに真夏の暑さが襲ってきました。と言っても関東はまだまだ良い方なのかもしれませんね。もっと気温の高い地域がありますので、とにかく熱中症にならない様に無理をしない過ごし方を心がけたいところです。子供の頃は熱射病か日射病のどちらか忘れましたが、そういった言い方をしていたと思いますし、「水分をとって」ではなく帽子を被ってくらいの対処法を言われていましたね。運動部では基本「水飲むな」でしたし。水を飲むと逆に調子が悪くなる、お腹が痛くなるなんて言われていましたね。サッカー部に所属しており、休憩時にやっと水を飲むくらいでしたが、周りで熱中症になった者はいませんでした。それでよかったわけですが、40年ほど前と今の気温の違いもあるかもしれませんが、とにかく厳しかったり緩かったりが入り混じる混沌とした時代でした。混沌というか「乱暴な時代」と言った方が良いですね。
戦後の頃と比べればまだ良くなった方なのかもしれませんが、今と比べればまあ乱暴な社会でした。その当時はそんなことも思わず過ごしていたわけですが、この先数十年後に振り返れば、「今」のこの時代もそういったように常識が非常識になっているでしょう。時代とはそういう移り変わるものなわけで、いつどの時代に生まれ育つのが良いのかなどは関係ないように思うのです。ただ一つ言えることは、争いのない時代に生まれることが一番良いことではあります。夏になると終戦の日があるので、ここ日本では戦争もなく平和で毎日を過ごせることが何よりも幸せであることを実感します。
「暑い暑い」と口にしては降り掛かる暑さでそういったことも忘れてしまうのですが、子供時代はスーパーとか自治会館など子供も出入りする場所では、戦争の悲惨さを訴える展示などがあったもので、体験はしていないものの当時の写真などによってその恐ろしさがトラウマの様になっているわけです。悪いことではないとは思いますが、子供の頃に見たもの、体験したものというのはなかなか強烈に頭に刻まれているものです。戦争と同じ様に強烈に刻まれていることといえば、世代的には「アメリカ文化」でしょうか。コカコーラ、スターウォーズ、グーニーズ、スケートボード、BMX、ビルボードトップ40。
アメリカンユースカルチャーに洗脳されていたと言ってもいいでしょう。ノストラダムスの大予言てのもありましたが、あれもなかなかなもので本気で1999年までしか生きられないと思っていました。1974年生まれなので「25歳までか」と思っていたものです。さすがに中学生くらいからは何も思うことはありませんでしたし、一応1999年になった時は信じてはいないと言いつつも、答え合わせの年として少しは楽しみにしていました。今これを書いているということで、悪魔の何とかが空から舞い降りることはなく、平穏に暮らし続けられているわけです。
言ってみれば、アメリカンユースカルチャーと同じく、ノストラダムスの大予言も子供たちが右往左往するためのエンターテイメントだったわけです。それ関連の書籍や生き延びるためのアホみたいなグッズが売れ続け、一定のマーケットが潤ったわけですから。映画「未知との遭遇」や「E .T.」などのハリウッド映画を観ても、そのとんでも系と同じ様に友達の部屋で、襲ってくる未知の恐怖や、UFOや地球外生命体からの奇襲にどう対処するかを話し合ったものです
ネットフリックス「ストレンジャーシングス」を地でいっていたわけで、今思うとなかなかおかしな時代だなと。さすがにアメリカ製のBMXやシュウィンのチョッパーバイクは乗れませんでしたが、日本製のしょぼいBMXを何とか買ってもらいながら冒険していたわけです。昭和の小学生はそんなものでした。
BMXのレース時に着ているTシャツやフットボールTシャツ、デニム、ナイキのスニーカー、カラフルなバックパックなどの本物を映画や雑誌の中に見ながら、それに近いニセモノで劇中の少年たちに何とか追いつこうと日々奮闘していたのです。一緒に遊んでいた友人はどこまでそれらディテールを追っかけていたかは不明ですが、私にとってはそのディテールや本物は大切なポイントだったのです。そういった過程があってこそ、今こうしてデザインや物作りといった仕事をしており、幼少期の気持ちや体験がそこに込められているのだと思います。いつまでも大人になれない(と思っている)のはそういった原体験を仕事の原動力にしているからなのだとも思います。
それがなければCITERAの様なブランドはなかったのかもしれません。例えCITERAのアイテムから直接的にそういったものを感じなくとも、根底で支えているのはそういったものなのです。
だからこそアイテムを身につけているだけで、気持ちが高まったり何かをやる気になったりできるのかもしれません。逆に何かをするときやどこかに行こうと思った時には、根底を支えるものを持っている何かを身につけたくなるのかもしれません。
CITERAだけではなく他にもそういったブランドはありますし、もっともっとそれが色濃く現れたブランドもあるわけです。そういった中からCITERAを選んでいただいていることは本当に尊いことだと思います。暑い時期になると、子供時代に最もエキサイティングだった夏休みの記憶が蘇り、少々感傷的な気分となり、この様な内容のメルマガを書いてしまうのかもしれません。全くもって関係ないのですが、その当時目にした記憶が少なからず散りばめられているアイテムたちは各シーズンの中に点在しています。
いつまでも若い自分でいたい、などと思ったことはないのですが、本当は心の底で思っているのかもしれません。だからこそTシャツであってもラペル付きジャケットであっても、どこか楽しみや心躍る要素を持たせたいと思うのかもしれません。