自分にとって、一生付き合うであろうウェアアイテムというのは多々あるが、中でもカーゴパンツは上位に入るのではなかろうか。ではカーゴ以外でその上位にはどんなものがあるだろう?しばし考えてみる……。メガネ、デニム(ジャケット、パンツ、カバーオール含め)、ボタンダウンシャツ、手軽なニット、ジャケットなど、と考え出せばキリがないのでそこらへんでやめておきましょう。
さて、その中でのカーゴだが、初めはやはり軍モノの古着。アメリカからヨーロッパなど各国のタイプ。国や部隊によって形や仕様が違うのでコレクションするには楽しいものだが、正直そういった目的で買ってきたわけではないのでボロボロになれば捨てるし、穿かなくなれば友達にあげたり、理由もわからずに見当たらないものもあって、結局手元に残っているものなんてほとんどない。カーゴパンツは交差点の様なものかもしれない。その時どきでさまざまな出来事が起こるが、結局は通り過ぎ振り返ってみれば過去の記憶でしかないのかもしれない。
アメリカのプロスケーターを見習い、膝下を切り落とし裾処理もしないままショーツタイプとして穿くなんてこともよくあることで、お気に召すままなところもいい。スタイルとしては細いものよりも太めのものの方がカーゴらしさがあり、ワイルドで良い気がする。カーゴポケットがもったりと膨らんだ様がいいのだ。ウェストあたりに細めのテープと金属のアジャスターが付いてたりするものはディテール感があっていいのだけれど、着用すると案外邪魔だったりして取り外してしまったり。そこもお気に召すままに楽しんでいた。結局男性は、ワークとミリタリーという要素に強く惹かれてしまう単純な生き物だ。そう思わされることも嫌ではなく、思うことによってむしろより好きになってしまったりするバカな生き物である。皆様はどうかわかりませんが、自分はそう思ってしまう。
10代はアメリカ軍、20代になってイギリスに行くことでヨーロッパのものを知るわけでやはりアメリカのものとは違った。形に迷彩の柄にどちらもどこか装飾的に見えたりして。ヨーロッパの方が洒落とるな、と若いなりにも思ったものだ。
どこの国のどこどこ部隊の何年代のあれが~、といった蘊蓄的知識など一つも持ち合わせていないが、いろんなタイプがあるのでそれでも十分楽しめるところがいい。とてもフレンドリーなアイテムだと思う。デニムはもうそういったフレンドリーなものではなくなってしまったので。投機対象とまではいかないけれどそこまで冷静さを失うほどのものなのだろうか。それも「時代性」というものなのだろうか。それで片付けてしまうのもなんだか嫌だが、どうしようもできないほどに市場では珍重されてしまっているのが現実。
さてカーゴカーゴ、と。
CITERAで作っているカーゴは特にどこの国のどのタイプとかも考えずに、その時欲しいと思うものを作ってきている。冬場なら暖かくいられるもの、春夏なら薄く動きやすいもの。シルエットも太めだったりスッキリだったりと、その時どきで違う。時代性を反映させる気なんて微塵もないので、これが世の中とあっているのか外れているのかなんて気にもしないが、今はこれがいいと思った形。ポケットはフラップなんていらないし、裾は絞れてそのドローコードがピョンと出ている感じが愛らしく見えるだろうとかそういった具合で。ただ、ポケットは斜めだと少々太くてもシャープに見えるし、バックポケットにはメッキの綺麗な良いファスナー(エクセラねw)を使えばミリタリーなアイテムでも洗練された雰囲気が出るから。
全体で見た時に、デザイン交差点と思えるほどごちゃごちゃとさせたくないけれど、何もなさ過ぎるとのっぺりとなってしまい格好悪い。そんなことを思うのでウェストから裾まで大胆に縦に切り替えを入れ、その縫い目に出る寄りジワがディテールにもデザインにも見え、空白に間を持たせてくれる。その中にポケットを納めれば、日本庭園の置き石の様に「そこにあるべきもの」といった謎の説得力が出て綺麗におさまるものだ。
これから気温が上昇してくることを考え、綿ではない生地なのでメッシュを使い湿った肌と干渉しない様に配慮してあるし、薄く軽い上に濡れたとしてもすぐに乾くので川辺アクティビティーの際に使ってもらうのもとても良いと思う。
CITERAのカーゴなら日曜大工のお父さん感とは程遠いので安心して穿いていただけると思うので、気になったなら今すぐ取り寄せて試着し、気に入ったらそのままお手元で可愛がっていただければと思うのであります。もちろん気に入らなければ送り返して貰えばそれでいいので。お気に召すままに。ちなみに、オリーブの方はもうほぼないのですが、数点ならまだあるかも。私は177cm/61kgでLを穿いて良い感じで過ごしています。カーゴで黒はなかなか敬遠してしまいがちだけど、見た目も穿いた感じも、どちらもとてもいいので黒もおすすめしています。