BP JKT&PANTSは、これまでのCITERAの流れからはスポーツウェアのセットアップという意味で少し違うものとなる。スウェットのセットアップは毎シーズン定期的にリリースしてきてはいるが、スウェット自体はスポーツっぽくもあるけれど、100％スポーツ感があるわけではない。これまで機能的な素材で動きや着やすさを考慮し、オーセンティックな作りから外れてデザインされたテクニカルスーツもそこそこの種類をリリースして来たので、ここらでそれらの流れを汲みつつもスポーツの雰囲気を持ったものがあった方が、スーツのためにも良いように思えた。
カジュアルだけれどその延長線上にスーツがある。普通のスーツではなく機能的な。であればそこにより説得力が出る様に、ラインナップにこういったアイテムを投げ込むべきだと。こういったアイテムをジャケットの下に着てしまうのもいいと思う。とてもモダンで都会的。ファッションとかオシャレとかそういうことではなく、この2023年という今を生きる人の着こなしがある。良いか悪いかよりも、誰がCITERAをどう着るかである。コーディネートに正解不正解はない。恐ることなく着たい様に着るべきだ。。
BPはライニングにPOLARTEC MICRO SERIES FLEECE。これはジャケット、パンツともに使用している。だから暖かい冬のセットアップ。首もしっかり守られているので問題なし。ブラックはファスナーもブラックを使いブラックアウト。真っ黒がちょっと、という方はエクセラファスナーが光り輝くネイビーを。黒のファスナーもエクセラなので、それはそれで美しさを持っている。男の人は宝飾品をつける習慣があまりない、いや、ある人もいるであろうけれど、多いわけではない。一時期スワロフスキーなどで飾り付けたデニムなどもあったが、今ではもう見なくなった。やはりどこかやり過ぎ感があるため、こういったファスナーディテールを使ってうまく輝きをプラスするのがちょうど良い様に思える。見た目も使い心地も良いのだからなおさらである。
非対称的なデザインでの生地の使い方ではあるが、全く奇抜ではなくむしろ必要に思う。これがないと野暮ったく見えてしまう、というかどこか物足りない。やり過ぎは良くないが、物足りないのも良くはない。食事は腹八分目がいいというが、洋服はそれでは困る。腹一杯も困るので適当な頃合いを狙いたい。±0に落としたいところである。これはCITERAの場合。世の中にはやり過ぎくらいでちょうどいいという方もいるので、それはブランドごとに誰をターゲットにするか、どんなデザインに仕上げるかである。
新宿歌舞伎町あたりを生息地とする方々は足し算×足し算くらいでしっくりくるであろう。ヨーロッパの貴族的な文化に近い感じで、CITERAとは無縁な気がする……。それはよしとして、近所のコンビニや夜な夜なスーパーに買い物に行く際、つい部屋着のまま行く、ということは絶対にしない。地元のスーパーやコンビニであっても部屋着風に見えるけど実は他所行きのものを着て出かける。もちろんわざわざそのために着替えるのではなく、部屋着として他所行きのものを着るのだ。そういったライフスタイルを送るためのCITERAでもある。30過ぎたらファストファッションは危険と思い始めた方がいい。おっさんまっしぐらである。
リラックスできるものであればあるほど、ちゃんとデザインされたものを選ぶべきだ。リラックスできる快適な着心地だけれども、スタイリッシュに見えるカットやシルエット。見ためもリラックスだと部屋着で近所をうろつくおっさんに成り下がる。気は抜いてはいいけれど、着るもの選びは気を遣いたい。大人の嗜みとして。
現代人のコンフォタブルウェアはスピード感のある都会の中で馴染む様にスポーティーかつ上品に仕上げるべきなわけで、その形がこのBPなのである。CITERAとしては休日にこういったものを身につけ、さらにジャケットを羽織り気張っているけど楽な装いというのがベスト。CITERAのアイテムは基本的にどれと合わせてもいいようにデザインしているので、お手持ちのアイテム、もちろんCITERAの他のものでも他ブランドのものでも、自由に組み合わせて快適な日々をウェアを通してエンジョイしていただきたい。。
コロナ以降、NYCには行けていないがその街角で見る姿にはこういったスポーティーなアイテムとウール調のコートやジャケットにスニーカーというスタイルの人たちをよく見かけた。蒸気が立ち昇る歩道を歩くそういった姿はとても格好よかった。そんなスタイルでただ歩いているシーンを見ただけなのに、気は抜いてもいいけれど、着るもの選びは気を遣いたい。大人の嗜みとして。やはりスタイルというのはその人を最も表現してしまうもの。いつまでも彼らの様に格好良くありたい。
