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Entries by CITERA

 

ジャケットやスーツにおいては人それぞに好みのスタイルがある。襟付きのジャケットは絶対にオーソドックスなものがいい、とか、デザイナーズものの様にデザインされているものがいい、とか、個性的なものがいい、とか、それぞれである。しかし、そのどれにも当てはまらずにこれまで襟付きのジャケット、いわゆるスーツと言われるものを避けて過ごしてきた人もいるだろう。自分もそのタイプである。冠婚葬祭に出席するために致し方なくそれらを着る。失礼のない様、他の出席者と差の出ない、いわゆる「普通」に見えるものをどこかのセレクトショップやデパートで買いそれを着る。仕事柄スーツを着るというのなら、また話は変わってくるのだが、残念ながらそういった勤め人でもないので仕方ない。ということでそういったスーツを普段着ることがなかったのである。

さて、CITERAにおいて。これまでリリースしてきたスーツは、先に挙げた世間で認知、カテゴライズされたものたちとは少々違う様に思う。強いて言うのであれば、デザイナーズに分類されるのかもしれない。厳密に言えばそれはまた違うのであり無理にそこに押し込む必要もない。それは、CITERAはデザイナーズブランドではないからである。では一体我々はどんなポジションなのであろうか?はっきり言ってよく分からない。

そして、そのカテゴライズする、ということ自体がCITERAにとってはどうでもいいことであり、仮にカテゴライズしてしまったら最後、そこから出られなくなってしまう。CITERAはCITERAであり、それ以外の何者でも無く、どこの部類に押し込まれるものでもない。そして不思議なことに、デザインした本人がこの様なメルマガを書き、アイテムに関してあれやこれやと言っているのだが、これはアイテムとは切り離したコラムという独立した存在であって、あくまでもアイテムとは別の次元で冷静な視点で語られているものなのである。





そういった視点をもって今回はPETEというスーツを紹介するのだが、まず一番のポイントといえば、ファスナーが付いているということだ。こういった襟付きのジャケットにファスナーがついていること自体が、スーツ界ではナンセンスと思われてしまいそうだ。でも、そういった常識的なことにとらわれていては、我々CITERAのような海のものとも山のものとも分からないものにとっては致命的となってしまう。そこにファスナーをつけることで、オプションとして一つ選択肢が増える。ファスナーを締めるかどうかは置いておき、その非常識的なスタイルでありながらも、スタンダード風のジャケットとして違和感がない。他とは明確に違いがあるにもかかわらず、実に普通っぽくさらにどこか秀でた何かを持つ佇まいさえ見せている。
 





注意深く見ることでディテールに目が留まる、そのくらいがちょうどいい。地味とまではいかないが、限りなく地味寄りの領域。大袈裟に言えば、本質を見極める目を持っていればそれが飛び込んでくる。CITERAのアイテムに惹かれる方は、そういった目を持っているということでもある。本来、ジャケットなど着ない者にとってはこういったデザインで作られたものであれば、気恥ずかしさもなく普段着同様で着られるものであり、その雰囲気を作り出しているのが各所のディテールなのである。



 





だからこそカラバリにベージュカラーを用意したわけで、よりカジュアルに普段着同然で日々のスタイリングに上下で着られるのである。やっぱりジャケットを着慣れていない者にとっては、襟付きのジャケットは照れ臭さみたいなものが付きまとう。それをいかにして取り除くか。もちろん着慣れるしかないのだけれど、普通のスーツはどこか制服の様に半ば強制的なものであり、違和感も持たず無意識にその特異な形のものを着られる様になっているのだ。その特異な形のものを自分の意志で着る、そうなると突然気恥ずかしさの様などこか痒くなるものが意識に現れる。
 





そして、パンツ単体でニットと着るもよし、カーゴパンツにジャケットを合わせてもよし、自由な組み合わせのしやすさも持っているのがこのPETEなのである。
 





そんな気持ちを払拭出来る様に「テクニカル・スーツ」という、どこかスポーツやアウトドアに近い感覚の要素を持ったモダンなスタイルでスーツを形にしているのである。世間でこういったものが定着するかは誰にも分からないが、これまで普段着としてスーツを着ることがなかった人でも、これらテクニカル・スーツであれば臆することなく普段着としてスーツを着られるのである。その入り口としてこのPETEというアイテムは、ワードローブに迎え入れやすいのではないだろうか。
 






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