PRODUCT STORY

Entries by CITERA


半袖シーズン到来。先日一足お先に夏気分を味わってきたところ。と言っても、5月中旬の沖縄はまだ夏一歩手前。まとわりつく湿気もなく、爽やかな風がTシャツの袖から裾へと通り抜け素肌を撫でつけては心地よい気分にさせてくれる、そんな気候であった。溜まったマイルの期限切れを恐れ随分前に取っておいたチケット。CITERAの夏物を試すことも考え、半袖や雨具も鞄に放り込み搭乗口に向かう。国内線であっても、飛行機に乗るというのは気分が高揚するものだ。普段口にすることのないトマトジュースなんかを口にしてしまうのも、空港のラウンジの雰囲気がそうさせていた。本当ならばビールというのがお決まりなのだろうが、下戸というやつだ。コーヒー、ましてやミルクなんかを飲み白い口髭を蓄えても格好つかないわけだ。そうなると、「俺は少し違うぜ」というささやかな反抗的態度としてトマトジュースを選ぶのは必然的。どうしたってマイノリティを演じようと格好をつけてしまう。まあただの見栄っ張りというやつ。高揚感からくるバグと思えば恥ずかしくないのかも。







ベーシックなポケット付きのTシャツは、ポケットのサイズが小さくネックのリブを少しだけ太めにし、袖や裾の折り返しの縫い位置も太めというのが、柔らかくもありしっかりと厚みもある生地感とマッチし、質の良いTシャツであることがシンプルなデザインからでもよくわかる。高級すぎると嫌味っぽいしどこかダサくも思えてしまうので、「ラフだけど考えられた抜け目のないTシャツ」を着たかったのだ。ガサっと大雑把なアメリカンも格好いいけど、その雰囲気もありつつ、ふわっと柔らかくしっとりと落ち着いたもの。少し大きめで着るのがなおいいので、そういったサイズ感。ハーフサイズアップといったことろ





インディゴ染めのTシャツ。昔から見つけては着ていたし、常に探していたアイテム。そんなにしょっちゅう見つけられるものでもないのでたくさん持っているわけでもない。おかげで色落ちさせながら着続けている。その仕方なく着続けている感がいいのだ。できれば綺麗な濃い青のままで着続けたい気持ちもあるが、年輪の様に退色しヨレてシミでもつけたりしながら共に歳を取るのもいいものだ。普通のTシャツじゃあそうはいかない。だらしなさが前面に出てしまって、着たとしても部屋着や寝巻きとなるだけだろう。でも、インディゴで染めているとどうしてなのか外にも着て行ってしまう。それがインディゴの魔法なのだろう。デニムだって同じだ。ボロボロの綿のパンツを穿いて出かけられないけれど、デニムだったら問題なしと思う人は多いはず。Tシャツだとさすがにボロボロはまずいけれど、結構同じ感覚で着れてしまう。着古したものであれば、もちろんキレイめなパンツを合わせた方がいいのは当然だけれど……。

そしてTシャツって捨てられない。外国にいった際に買う適当な3枚パックとかは別だけれど、プリントものやデザインものなどは捨てずにとっておいてしまう。そもそも断捨離とか苦手。立川断捨離と桂収集、どちらが好き?と言われれば断然桂派となるわけだ。冗談はさておき。








これまでリリースし続けているモックネックタイプのARCHITECT Tも今季も引き続きリリースしているわけで、これはもういつあってもいいというか、いつでも買える状態にしておきたいくらいである。まあそういうわけにもいかない部分もあるので、季節で半袖、長袖と出し分けている次第。半袖は長袖よりも若干襟を低くしているけれど、雰囲気は大差なくどのシーズンでも安定して着続けられるアイテム。ブランド的にはジャケットの下に着るのが一番ベーシックな着方なのではないだろうか。もちろんそのままで着るのが個人的には一番格好いいと思っているキレイなTシャツ。





趣味嗜好によって求める図柄やスタイルも違うTシャツ。たかがTシャツされどTシャツ。アイデンティティを反映させる最も身近なウェアアイテムであり、自己表現のキャンバスの様なもの。誰かとなんか同じじゃ嫌だとか、みんなと同じで安心するなどそれぞれの好きでいい。新作から古着と膨大な中から自分に合う、そして自分が心から求めるTシャツを探すのが楽しくもある。安価で手に入れられもするし、なかなか高額のものもある。でも不思議なことに、着れば安くても高くてもどちらも同じ様に誇らしいのである。その人のTシャツコレクションを見ればその「ひととなり」が分かってしまう。第二の皮膚と言っても良いのかもしれない。本当の皮膚は選べないが、第二の皮膚はよりどりみどり選び放題なので、取っ替え引っ替え片っ端からトライしていくのがTシャツの醍醐味なのである。















BACK TO INDEX