2年ぶりにリリースしたこちらのHAFENのセットアップ。前回リリースしたのは2021年2月。Sサイズあたりで1~2点残し、わりと早くに主要サイズは売れてしまった様な記憶があり、そこそこ人気があったのではないかと。ジャケット、パンツ共に通気を意識して、大胆なベンチレーションを入れつつシンプルな見た目を保っており、派手めなデザインを敬遠する方でも着やすいベーシックアイテムということもあり、足が早かったのではないかと推測します。そして、今回リリースするにあたって仕様などの変更はなく、そのままでの再販となります。グレーの色味が少し薄くなったということはありますが、基本的には変更点はありません。AUTOBAHN同様に、定番的なアイテムとして定期的にリリースしていければと思った次第です。
AUTOBAHNがデザインのあるタイプ、HAFENがデザインのないタイプ、という対極の2アイテムですが「デザインしてない」と言いましても、見た目にシンプルなだけでデザインをしていないわけではありません。ベンチレーションを設けるのに試行錯誤をしたので、AUTOBAHNと同様のデザイン作業はしていますし、どちらかといえばHAFENの方が作業的には手が掛かったと思います。シンプルなもの程手がかかることはよくある話です。
AUTOBAHNの様に、同色ながらも質感の違いで2トーンに見える分かりやすさがあるわけでもなく、ただソリッドな雰囲気の中に機能が隠れている、そんな「マニアック感」とでも言いましょうか、着る人だけで完結する自己満足度の高い地味なアイテムではありますが、内向的美学を持つ一見普通に見えるが実は珍獣、そんな風に楽しんでいただけるのでは、と思っています。
内向的美学と言えれば少しは聞こえがいいですが、今では死語である「オタク」を言い換えただけのことであって、細分化の進んだ現在では「サブカル」という言葉や定義同様にその言葉の存在は意味をなさなくなってしまいましたね。
SNSが発達しメディアが個人のものとなり、それ以前では、一定数はいるがごく一部で盛り上がり、雑誌もしくは深夜テレビなどで取り上げられ、マイナーだがメディアでのお墨付きが出たことで「サブカル」と何となく認定されていたわけですが、SNSという個人メディアが台頭してくると、メジャーもマイナーも同じ土俵で捉えられてしまい、もはやサブとメインの境界線が見えなくなってしまうわけであり、そうなれば自然とその定義自体に意味が見出せなくなるのも仕方ないのかなと。時代が進めば状況も言葉も変わるのは当然で、その時に合ったもの合わないもので生き残ったり消えていったりしますが、決して消えていかないものもあります。
そういった消えていかないものは何であるのか?これが永遠のテーマであって、常に探し続けていかなければならないのがしんどいと言いますか。ものを作る?創る?上で、永遠の定番になる様なものが作れたらどれだけ嬉しいことか、なんて思うわけです。もちろん、今の時代、全く新しい物でスタンダード、クラシックなどと言われるものを作り出すことは本当に難しいわけで、しかも洋服となればそれはもう本当に皆無と言ってもいいとさえ思える。洋服は着ることが目的なわけで、その着る人自体に大した進化がないのである程度形が出来てしまえば、あとはアレンジしか残っていないわけです。だから無理とか、諦めたと言いたいわけではありません。
人々の生活様式は現代ではテクノロジーが密接に関わっているので、そのことで生活のスタイルに変化があります。そこに目を向ければ洋服でもまだまだやれることはあるわけなので、日々の足元にヒントを見出し作り続けていけば良いのかな、と。たまたま疫病が蔓延して一気にオンラインでの買い物が加速してCITERAにも追い風が吹きました。洋服業界自体がオンラインにシフトすることを積極的に考えてなかった様に思えましたし、オンラインにシフトしても何だか大して便利さがある様にも思えません。残念ながらCITERAでもそうですが……。もっと画期的な何かがあってもいい気がします、もう21世紀なのですから。さすがに有名なネコ型ロボットの4次元ポケットはないですが、目から鱗の様なことが出てきてもおかしくないと思うのですが、未だ出てこず(うち含め)。これはインフラなのかそれともアイデアなのか。
一旦、頭を冷やし冷静になって熟考するしかないですね。あとは全く別の方向を見てみる。ヒントは全く違うところにある様にも思えます。「灯台下暗し」とも言いますのでそこら辺に転がっていることもあるかもしれませんしね。皆さんも何か探していることや考えあぐねていることなどあれば、一旦そこから視点を変えてみるのも良いかと思います。
さて、日本の夏はすっかり亜熱帯気候になってしまって、太陽の熱と湿度の二重苦となり命にも関わる深刻なことになってしまっています。せめて通気の良いものを着て涼を得たいところです。真夏ではさすがにジャケットを着ることもないでしょうから、パンツだけでもHAFENを選んでみるのも良いかと思います。いつになく押し売りっぽいメールになってしまったのが心苦しいですが、このアイテムは安定的にありますので、それぞれ適宜必要な時が来たら試してみてください。