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Entries by CITERA

 

本来のミリタリーウェアとして考えてみれば、カーゴパンツでウール素材を使っているものって現代にはない様に思います。ミリタリーウェアに関して詳しいわけではないので、もしかしたら、何か特別なものとして存在したり、レギュラーのユニフォームとしても存在しているかもしれません。もちろん過去には冬用のユニフォームとしてヨーロッパ地方では存在しているわけですが、現代となれば、ウールを使わずとも軽くて暖かい素材があるわけなので、フィールド用としては見ることもないでしょうね。

今となっては戦場では、草木などがくっついたりして難ありのウール素材でしょうが、日常的に着用する素材としては、見た目も質感も暖かいですし、ファッション的観点から見ても冬には重宝する素材ですね。





 

素材の表情としては、レトロ感を前面に押し出すのが良いと思いますので、オーソドックでシンプルなスタイルにするのが可愛くて格好もいい。ゆったりはしているけれど、どかっと太からずなシルエットで。裏地も付けておけば、これから吹くであろう木枯らしを恐れなくてもすむ。もしかしたら、今時からしてみたら「野暮ったい」ものに映るのかもしれないけれど、21世紀ともなれば、その野暮ったさすら新しいのかもしれない。特に若い子にしてみたら野暮ったいものほど魅力的なのかもしれない。

完全におじさん特有の視点でものを言いますが、少し前にテレビで「あいみょん」というアーティストを見たのですが、もちろん名前や顔はSNSとかネットなどで見たことはありますので存じていました。ただ、テレビ画面で観たのは初めてでして、その時の格好が、ベージュのダボっとしたジャケットとパンツをお召しになっておられて、思わず「お前は車寅次郎か?」と、そう思ってしまったわけです。もちろん、それは「ベージュの背広とスラックス」というキーワードから頭の中で出てきただけの話で、寅さんに見間違えたわけではなく、連想しただけの話です。まあ、こういうことを言うこと自体が、立派な若者文化についていけないおじさん、世間で言うところの「老害」というやつなのだと思います。





 

もちろん、ディテールをみれば全くもって寅さんとは違うし、近いところもないのですが、並べて表層だけをみれば遠くもないと思うのです。なので、あいみょんは寅さんにインスパイアされてて、そういったレトロな感覚が新しい感性に取り入れられ、また新しい形になり若者をリードしている。なんて、新聞などに論説している評論家風に若者トレンド論を適当に語ってみても、全く説得力もありませんね。でも、実際そう思えるからトレンドというのは面白いですね。思いもよらぬところに共通点や影響された部分がある。もちろん、あいみょんさんは寅さんなんか1mmも意識していないでしょうけど。それを分かった上で、どちらも知っているおじさんから見るとそう見える、ということです。ただ、これはどちらに対してもあまり興味がないからこそで、よく知っていれば全くそんな風には思わないのが本当のところです。

よく知りもしないのに、知った様な感じでこういうことを語ってしまう、これが「老害」というものなのです。



 

ウールの話からそんな話になってしまいましたが、ウールというのは、どこか「野暮ったい」というイメージがあることからそうなったのですが、70年代、80年代のイメージが強いわけで、坂本金八や竹村健一が着ているジャケットなどをどうしても思い浮かべてしまうのです。そこで、カーゴパンツや、AUTOBAHNのジャケットなどにしておけば、そんなイメージを持っていたとしても、どこか今時っぽく思えこの冬着用したくなるのではないでしょうか。都会的なスタイルをウールで包み込み、暖かく過ごすためのおしゃれ着として。若者には少々敷居が高い素材なのかもしれませんが、おしゃれ上級者を自負する若者であれば、果敢に挑んで欲しいですし、これらを着た若者にも遇ってみたいものです。




 

若者の定義は難しいもので、80歳にしてみれば40歳なんてまだまだ若者でしょうから、どこをとって若者と言えばいいのか。「身体的なフレッシュさ」とすれば、20代までを若者と言えばよいのでしょうね。こういうことを書くと、愕然とする40代の人がいそうですが、そう、そこのあなた、もう若くはないのですよ。でもいいじゃないですか、私や、その他の40代、50代、60代と共に若い感覚を持ち続けたまま、共に人生を色濃いものにしていきましょう。老いることも成長の一環と捉えれば楽しくもあります。ウール素材がより似合うでしょうから、積極的にそういった素材を取り入れていきましょう。




 

若いことは素晴らしいですが、それだけが素晴らしいわけではありませんし、歳を重ねることで得られることの方が多いと思います。もし、神様が「お前の時間を好きな時に戻してやろう」と言ってきたとしても、私は今のままを望みます。いつまでも若い時と同じ様な好奇心や、探究心を持ち続ける努力はしますし、そういった持久力も持っていたいですが、今を大切にしながら歳を重ねていきたいと思います。健全な心と身体を保つためにも、この暖かい裏地付きのウールのカーゴパンツを穿き、寒さから身を守りこの冬を楽しくおしゃれに過ごしていきたい次第です。




 






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