PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

も~い~くつ寝ると~クリスマス♪~ 
ですが、クリスマスは祝うのになぜ仏様の誕生日は祝わないのでしょうか?そもそも歌も違うし、いつもに増して随分とゆるい始まり方だな、と思われたでしょうが、どうしても気になることがある。キリストの誕生は祝うのに、仏様であるゴータマ・シッダールタの誕生日である「4月8日 花まつり」は、なぜ祝わないのか、どうしてなのか?それは寒い時期じゃないから、という非常に単純な理由である。というのが持論。もちろん、他にももっと分かりやすい理由はあるのだが、今回は「寒くないから」にしておく。それはこの先を読み続ければ理由は明らかになる。




 

もし、クリスマスが6月だったらこんなにも盛り上がったのだろうか?考えてみてほしい、ジメジメの雨降る季節に髭もじゃの赤い服着たおっさんが来ても暑苦しくて鬱陶しいだけだ。祝日もないしそんな過ごし難い時に遊んでいる暇もなく、そううかうかと浮かれている場合ではないのだ。上半期が終わる、下半期が始まる~とサラリーマンは忙しいのである。

そもそもサンタクロースは寒い地方出身だ。そんな奴が不慣れで不快な気候の国にまで来るわけがない。なのでクリスマスが12月以外だったら日本にまでこのイベントは回ってこなかっただろう。そうなると夢もへったくれもないが、経済的活性を促すイベントが減ってしまうではないか。できるだけ消費を増やすのが先進国の務めだ。サンタクロースの「寒くないと行かないよ」という脅しに日本は屈したのである。そんなこの時期のイベントに慣れてしまった我々は、神様、仏様の誕生祝いはなるだけ休みが多く寒い時期がベスト、と身体に染み付いてしまったのである。だから4月8日は仏様の誕生日ですよ、と急に言われても身体が反応しないのである。




 

とにかく、クリスマスはいくつになっても楽しい。意味のわからないことを書き綴ったが結局私はそれを言いたいのだ。クリスマスは楽しく心躍る時期で、それを理由に自分へのご褒美とかいって、普段以上に物を買ってしまうこの時期にCITERA®がリリースしたのは、POLARTEC® ALPHA®を裏に仕込んだセットアップだ。これはいい。とてもいい。



 

何が良いって実に暖かい。もう一度言いますよ、実に暖かい。特にパンツがもうそれはそれは暖かい。永家には「冷えたら負け」という家訓がある。これなら絶対に負けないのである。夜な夜な外をほっつき歩いても驚くほど寒くない。流石にジャケットは空き部分があるのでパンツの様にはいかないが、それでもウールのジャッケットなどと比べても断然に暖かいだろう。しかも軽い。そしてストレッチ具合も抜群だ。ストレッチ性も耐久性も優れている。質感が違う2種類のPERTEXを組合せ、切り替え部分にメリハリをつけているのはCITERA®の常套手段だが、これはもう21世紀のジャケット界のスタンダードと言って良いだろう。

 

ダウンでもコートでも上から羽織ればもう完璧だ。今回のこれは素材感がこれまでにないシャリシャリ、シャカシャカ系なのでスポーティでアクティブな印象で、ジャケットスタイルではあるが、さまざまなシーンに使えて面白いだろう。これはこれ、と決めてしまうほど面白くないので、好きな様に好きなシーンで、自分が感じた印象のままに使いたい様に使うのが正しいのである。ブランドというものは、自ら可能性や選択肢を狭めてはいけない。もしそうしてしまったのなら、それは終わりに向かうだけだ。着る人の自由を提供することが正しい道である。もちろん細かいことはあるが、「これはこれ」などと勝手に決めつけてしまうことは愚策でしかない。だからジャケットに切り替えとか、もこもこしたフリースを裏地に使うとか大いに結構なのである。

 

時代は変わってもう21世紀も20年も過ぎた。この調子だと100年なんてあっという間だろう。2100年には私は確実に存在しない。だがCITERA®が残っている可能性はないと言えない。その時にこのEISBAHNがさらに進化しているのか、スタンダードとして冬の定番となっているのかは分からないが、そうあって欲しいという想いはある。もちろんこれが画期的な発明のアイテムということでもないし、ちょこっとアレンジされた現代っぽいスーツスタイルのセットアップなだけだが、周りを見回しても類似したものはまだない。あったらごめんなさいね、そこまでたくさんの調査はしていませんのであるかもです。

でも、もしこれが売れたり話題になったりすることがあれば、思いっきりパクッた商品があちらから、こちらから出てくるでしょう。でもそれでいいのです。CITERA®のこれだって全くのオリジナルではないわけで、過去に作られた素晴らしいアイテムの上に成り立ったデザインと機能の組み合わせなのですから。それでマーケットが活性化され、そういった商品が増え世の中が変わっていくのですから。それが時代の流れというものです。その一部分として存在できるのなら、それだけでとても光栄なこと。

 

そうそう、最近少しずつ世間から気づいてもらってき始めたのか、モノ系のメディアに小さくではあるが立て続けに取り上げられているのです。これはなかなかなことだ。さらに言えば、バーニーズにだって引き続きPOP-UPや別注が展開されていますので、これは驚きの事態ですよ。これってすごいことなんです。これを大したことないなんて片付けていると後でとんでもないしっぺ返しが来ますから、ここで身を引き締めたいところです。

これって、CITERA®が大化けする可能性を秘めているってことで、そのポテンシャルは十分にあるという評価でもあるわけです。こういう仕事を20年以上もやっていると、その匂いは嗅ぎ分けられる様になりますし、実際に人気が出るためにはどうあるべきかを心得てもいます。粘り強く、小さな駒を積み上げること、それだけです。上辺だけのことに囚われたり、まどわされたりせず、コツコツ粛々と日々の仕事をすること。私たちは今それを忘れずにやっています。

この寒い季節の中、EISBAHNやALPHA CARGO、PWBといった冬に強いウェア達を着ているからこそ、退屈で日の目を見ない地道な作業でも寒さなんかに負けず耐え忍んでいられるのです。いつか陽は当たります。そう信じることが大事です。

こんな時代なので皆さんにも日々ご苦労があるかと思います。でも、絶対に挫けずに明日を見ながら日々を大切に過ごしてくださいね。挫けそうな時はメールでもなんでもください。共に励まし合って乗り越えましょうね。CITERA®のアイテムには手を触れて欲しいですが、そう思う前に一人の人として、まずは皆さんが健やかでいられることを強く望んでいます。

「冷えたら負け」です。

 




BACK TO INDEX