PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

 

これまでにはいた黒いデニムパンツを振り返ってみると、古着のLevi’s、後染めされた古着のもの(これもLevi’s)、新品のA.P.C.となる。古着のものは、大体4割くらいはき古された感じで何の違和感もなく気に入りよくはいてた。その後新品を自分でそのくらいまではき古したいと思いA.P.C.で買ったのだけど、どうにも馴染まずはき続けられなかった。それ以降は黒いまっさらなデニムに気が向かなかった。


決してA.P.C.が悪いわけではなく、たまたま質感と形がどちらも自分の好みに合わなかっただけだろうし、もっと言えばその頃、インディゴの青と違って黒デニムの色味自体にあまり興味を持てなかったことが理由なのだと思う。でもやっぱり、黒いデニムを自分で気に入るくらいの状態まではき込んでみたい気持ちは今もある。なので、それができる黒デニムを作るのが手っ取り早いわけだし、何なら新品の状態でも「これはいい!」と思えるものにすれば良いわけだ。しかし、黒いデニムにそんな気持ちが持てる様になるのだろうか?






高オンス生地のゴワゴワ、黒い色、表面の毛羽立ちなどが相まって、黒は非常に重く思えてしまう。毛羽立ちの存在はなかなか厄介で、うっすら白く浮き立つ糸の毛羽が全体を膨らましている様に見えてくる。そんなわけで黒デニムというのは全体的なイメージがどうもスッキリしたものにならないのだ。


その様なイメージを不安に思いながらも、色々と生地見本を見続けたところ、案外オンスの軽い生地は馴染みが良さそうに思え、気持ち的にもどこか惹かれるものもあり、さらに耳付きにすればディテール感も増しインディゴの様に愛せそうな気持ちが湧いてきた。そう思える様になってもやっぱり、14、15オンスのガッツリした生地は見てるだけでも気が重くなるのは変わらなかった。

もちろんこれは偏見なのかもしれないが、僕の目にはそう見えてしまうのだから仕方ない。ガッツリとした雰囲気のものを作りたいならそれでいいのだろうけど、僕が目指しているのはスッキリとライトな雰囲気。日体大ではなく青学の文系ってところ。イメージですよ。


黒い分、青よりも鏡面磨き仕上げのリベット、赤いレザー、薄い青のパッチがよく映え、より軽い雰囲気に見えてくる。縫い糸の色はオレンジにするか黒にするか悩む。黒は重いと思ったので、初めはオレンジにしてみたが逆に重く見えてくる。黒にしてみた方が洗練された雰囲気になった。ディテールが隠れることで全体的に引き締まり、黒は黒に徹することでスマートな印象になるのだろう。


車でグリルやガーニッシュなどをブラックアウトさせ、シャープなスタイリングでより都会的な雰囲気に演出する様な感じだろうか。デニムなので、ベンツ・ゲレンデの無骨なスタイルがブラックアウトで都会的なルックスになる、と例えた方がより分かりやすい。しかしデニムの場合は全てをブラックアウトさせちゃうとつまらないので、リベットやボタンにはシルバーを残しディテール感をわかりやすくしている。


そんなCITERA®の黒い生デニムの生地は11オンス。春夏において生のデニムとしてはだいぶはきやすく、はき心地もゴワつかず軽快。ルックス的には黒で引き締まった雰囲気のところ、少しゆとりのあるスタイルにすることで洒落っ気が出て軽く見える。春夏なのでね。ゆとりがあると言っても、ワイドなスタイルではなく、感覚的にいえば「ハーフサイズ上げたくらい」といったところ。そのサイズ感はインディゴだと中途半端になってしまうのだが、黒はそのくらいのボリューム感の方が格好いいと思う。細いとパンクとかロックが好きな大学生みたいになってしまうし、ジャストだと予備校生みたいだし。まあスタイリングの画像を見ていただければ雰囲気はよくわかると思うのでそちらでご確認を。


CITERA®としては人それぞれ自由なスタイルではいていただくことがいいわけなので、普段のサイズを上げる、下げる、その辺はお任せします。トライアルで前後のサイズも一緒に頼んで試してどれがご自分にフィットするか試して頂きたいです。とはいえ、普段通りのサイズを選ぶことで「身なりに気を遣っている品のいい身の丈を知ってるナイスな現代人」の着こなしになるのではないか、という基準もあるわけです。どれを選ぶかはあなたにお任せということです。数ある選択肢の中から自分で選ぶこと、そしてそもそも世に数あるブランドの中からCITERA®を選んでいること、それ自体がとても能動的で活動的、そしてクリエイティブだと思う。

このデニムこそ、そんなあなたにはいて欲しい。


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