
今季もBARNEYS NEW YORKでの新しいシーズンが始まりましたので、このメルマガをもってお知らせさせていただきましょう。
BARNEYS NEW YORKでの取扱いアイテムは全て店舗(およびBARNEYS NEW YORKのオンラインショップ)限定アイテムとなります。インラインで人気のあるアイテムをバイヤーの方と相談しながらあちらの顧客様に受け入れられそうな仕様に変更し、限定アイテムとして販売していただいています。わかりやすいところではネームが黒いものとなり、よりシックなルックスで高級百貨店らしい一味違ったフェイスのもの。
ネームの色と生地が異なることで雰囲気はかなり違って見えるわけですが、着心地は何も変わらず軽量で快適さはそのままであり、見た目着心地ともにあちらの顧客様には受け入れていただいている模様。実店舗があるというのはやっぱりいいもので、直接見て触って袖を通してというごく当たり前なことが当たり前にできるわけですよね。 ネットショッピングに慣れたとはいえ、まだまだ、というかこれって一生解決できない課題ではあるわけです。リアルに敵わないポイント。着るものに限らず、サイズ感、質感というのは手にとってみないとわからないもので、買っても返品したり、泣き寝入りではないがまあそのままということもないわけでもない。 ネットショッピングの闇といったら言い過ぎになりますが、やっぱり見てみないとしっくりこない、というのは一生付きまとうわけで……。まあそんなことがないようにCITERAでは他よりも随分と早くからトライアルサービス(平たく言えば返品可)を実施しているわけですが、それでもやっぱりユーザー側で考えれば戻す作業が面倒だったりするわけですよね。

そうなると実店舗というのは行くことが面倒だったとしても、失敗することのない買い物ができるということ、そして思いもよらぬアイテムとの出会いやスタッフさんとのコミュニケーションからさまざまな情報も得られるという機会にも恵まれる。根本的な目当ては洋服ではあるけれど、それ以外の価値もついてくる。時間と距離を使うことはそういった付加価値がついてまわる。 「洋服を買う」というあたり前な体験を通し、人とのコミュニケーションが生まれ新たな情報を得てライフスタイルがより豊かになる。そんな構図が組み込まれている。その反対に便利になることで余計に面倒なことが生まれることがあり、それを日々感じながら今の世の中を生きている。
先日、端末から注文決済ができる店舗に入ると先に購入している女性がいた。なかなかうまく注文を進められなかったのは後ろで見ていて明白だった。こちらは時間に余裕があったので気にはしていなかったが、かなり手こずっていた様だ。声をかけてアドバイスするのも大きなお世話な場合もあるし、特に相手は女性だしなぁ、と思ってここは知らぬふりをしておこうと。 どうやら無事注文はできた様だが、今度は決済画面で手こずっている。彼女が使いたい決済システムがその端末では使えないということは後ろから見ていてわかった。何度も戻っては同じことをしている。どうしよう、もし嫌な顔をされたとしてもこれは言ってあげるべきか?というか店員よ何とかしてあげてくれ!と心の中で念じたところそれが通じたのか(そんなことない、ただの偶然)店員さんが駆け寄ってきた。 結局クレジットカードでやり直して無事終了。彼女はこちらを見て「すみませんでした……」と苦笑いしながら声をかけてくれた。それに対してこちらは「便利なはずが不便ですよねw」と自然に言葉が出てきた。
そう、そうなのだ。我々は日々この「便利なはずが不便」に遭遇しているのだ。 商業施設のパーキングの清算システムでバーコードがうまく読み込めず出られないことで車が詰まってるとか、画面のボタンを押し間違えでまたやり直しとか、ルーターがフリーズしてネット繋がらないとか、あげればキリがないほどに日々そんな便利が生み出した不便に見舞われている。そんな中、もっとも面白いのが機械に向かって喧嘩じみた言いがかりをつけているご老人とか。 もはやそんな光景が当たり前化し、自分がそこに巻き込まれていることにも気づいていなかったりする。気づいていないのならそれでいいのだが、そうも思わない人間もいる(自分)のでどうにかならないものか。いや、こればっかりはどうにもならないだろうし、これからの便利な世の中ではもっとそれが増えていくに違いない。文明社会というのはリスクを背負いながら進歩していくしかないのだろうか?リスクを持たずに進化することは不可能なのだろうか……。
暑さがおさまってきて思考に余裕が出てきたのでしょうね。暑い時にこんな面倒なことをいちいち考えていなかったのに。哲学の秋ということで答えの出ない問いを徹底的に考え尽くしてみるのも良いのかもしれませんが、ここでこれ以上展開させても読む側に迷惑をかけてしまうのでやめておくことにします。

何でしたっけね、BARNEYS NEW YORK、実店舗、ネットショッピング、便利が生み出す面倒などでしたね。ではBARNEYS NEW YORKに話を戻しまして。スウェット系のカットソー類とテクニカルスーツが中心の取り扱いとなっていまして、スウェット類は引き続きWEAVERものを展開し、テクニカルスーツは昨年の秋冬に出たTREFF JKTとSCHAFT PANTSをバーニーズ向けにアレンジ。

BARNEYS NEWYORKは個性の強いデザイナーものが多い売り場なのでシンプルなものが逆に目立つとも言えますが、そういったコントラストが機能してか売り場ではCITERAは調子がよく今も取扱いが続いているわけです。 自己評価基準として、某有名アウトドアメーカーの機能系スーツも置いていたそうですが、それらは動きが悪かった様で取扱いをやめたとのこと。機能系スーツなら何でも売れるというわけではないことがわかり、CITERAが評価されていると言っても過言ではないわけです。 やはり、外部取扱いがあることで自分たちだけでは気づけないこともあり、この様な展開はブランドにとってはとてもためになるわけです。これは全くの偶然であって何も関係ないのですが、メインバイヤーの方とは地元が同じであり、私の実家のすぐ近くにある高校に通っていたそうで、偶然とはいえそれも何かのご縁なのかなと。そんなこともあり、BARNEYS NEW YORKには改めて感謝したいと思います。 銀座、六本木、横浜、神戸、福岡とたくさんではありませんが、お近くに行かれた際には、是非お立ち寄りください。