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Entries by CITERA



「お盆ホリデー」

そろそろお盆の季節ということで、旅行や帰省を目前に様々な思いがあるかと思います。現代日本の場合、原爆慰霊祭と終戦記念日がありますので、この時期になると戦争における死者を弔うということも含め、川の向こうから来るとされている先祖などがいる「あちらの世界」を意識することもあるのではないかと。怪談話なんてのも夏の風物詩ですから、やはりこの季節となるとあちらの世界との関わりは強くなるわけです。私の場合、残念ながらあちらの世界があることを体験したことはなく、あちらの人を見たこともその気配さえ感じたこともないのでその存在を確認する術はありません。



「オカルト」

そういえば、近年になって心霊写真というものを聞かなくなりましたが、スマホでもあるのでしょうか?それともやっぱりあれはプリント時のミスなのでしょうか? しかし、テクノロジーが進んだおかげでいくらでも質の高いオカルト画像や動画が作れてしまうこともあり、もう本物偽物ということは気にせず、エンターテイメントとして楽しむというので良いのかな、などと思ったりもします。以前は、テレビなどで非科学的なことを科学者を呼び出し双方真顔で議論する番組などもよくありました。それももう成立しない世の中となりましたが、引き続き夏はオカルトものが人気というのは変わらないことでしょう。人は知的好奇心の塊なので、時代が進化しても未知のものに惹かれてしまう生き物なのでしょう。神や死というものに対する尊敬と畏怖その両方を持ち合わせている以上、宗教とオカルトのマーケットは衰退することがない、と快適なサウナのような外を歩きながら思った次第です。

私が唯一オカルト的な部分で現実的に触れられることといえば、仏壇やお墓に供えるお線香がはぜることくらい。それはその人が線香を介し何かを伝えてくれている、ということ。ロマンチックと言ったら笑われるかもしれませんが、どこか夢があるように思えます。そのお線香の煙も同じように、空気に揺れながら何かを示しているのでは?と思うと、その煙をしばらく追って何かを読み取れるかもしれませんね。あちらの世界からのありがたいお言葉を期待し、今年も墓の前に手を合わせることでしょう。あちらの世界というのは、物質的に存在してないので生きている以上確認できないのが残念です。中にはそういうことに精通し行き来できる人もおられるようですが、残念ながら私にはその能力もなく、それは想像上の世界でしかないわけなので、曼荼羅の様な華やかな世界を想像するしかないのですが、案外質素だったらあっちに行った時に拍子抜けしてしまうでしょうね。とにかく、あちらの世界がどういったものであるのか今から楽しみで仕方ないのですが、それはその時のお楽しみとして考えないでおこうと思います。とはいえ、期待したところで何にもない「無」の世界であろう、というのが正直なところ。



「夏は苦しい」

夏のイメージは子供の頃の楽しい記憶が残っていることで、今も変わらず夏は楽しい季節というイメージだったが、この15~20年くらいの気温上昇の積み重ねにより、自分の中ではもうそのイメージを維持できなくなっている。そろそろ「夏は苦しい」と塗り替えていかないといけないだろう。体感温度としては45℃近くあるのではないかと思うほどの空気感。人と顔を合わせれば、暑さの話をしなければならないほどで、それは直感的に生命の危機を感じているからこそではないかと。とか言って気候の話なんて誰とでも、そしていくらでもできるその場しのぎの無意味な時間潰しでしかない、とも思えなくもない。もっとも便利な「ネタ」である。スマホ自体にも温度や湿度を測れる装置を仕込んでいただきたいと思っているほどに、実際の体感気温と湿度が気になる。今自分がどれだけの熱に晒されているのか、そしてどれくらいまでならまあ平気だな、と思えるのかをスマホで測れれば良いのだが、どうやらそういった装置は盛り込まれそうにはない。公式に発表されている気温と体感温度の差は相当あるに違いない。そんなことを考えながら都会の暑いコンクリートの上を何とか平常心を保たせながらコンビニを経由しつつ目的地まで足を進める。もうそうやって凌ぐしかない。日傘も必要だろう。ハンディの扇風機も必要だろう。でもはっきり言ってそんなのは気休めでしかない。あっつい空気が我らをコーティングし何をしても離れないのだ。



「空調服」

着たことがないのでその良さがわからないのだが、実際に仕事着として着ている友人に聞いたところ、「涼しいわけではないが、ないよりは良い」らしい。そしてあの膨らんだ姿がいい。構造上どうしようもないのですが、とても愛らしい姿になるわけで、どうせならパンツの方も空調服で上下パンパンになって、丸々とした人々が街を歩いていたらとてもファニーな世界観で平和になりそうなものだが、そんなバカみたいなことを考えるのも暑さのせいだ。そう、全ては暑さのせいなのだ。暑さは人を壊す。早く空調服もスポットクーラーなみの機能が搭載され、室内の涼しさ同様で暑い昼間の外を歩けたらよいのだが。果たしてテクノロジーはそこまで進んでくれるのだろうか?



「ホラー」

暑さもここまで進むとホラー的な世界になる。これまでエンターテイメントの世界では、巨大なサメ、アリ、トマト、ゾンビ、半魚人、宇宙人など様々なものが襲ってきたわけだが、高気圧が襲ってくる映画でも誰かが撮らないのだろうか。コメディ路線に行くか、より現実味のあるシリアス路線どちらかに行くかだが、ここはコメディ路線を期待したい。どうこの暑さをおふざけに変えていくかが監督の腕の見せ所だ。「最終絶叫計画」の様などうしようもなくひどいB級、いやC級的なものを冷房の効いたデカいシネコンで観てみたい気もするのだが、90年代にはコメディ感を持たせながらもホラーとして成立させた映画が割とあったのでそういったものの方がいい。パッと思い出せるのはスクリームやシリアルママあたりなのだが、もっとあったような気がする。そのあたりの映画を思い出させながらも今っぽい視点と技術で、暑さをモチーフにしたホラーコメディ映画が今一番観てみたいと思う。これも暑さのせいである。この暑さのせいで良かったことは、全てが暑さのせいにできるということくらいだろう。



 

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