DIRECTOR’S JOURNAL

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

COLUMN

2021.06.07
 

夏の手前にちょっと面倒な寄り道の様に感じる梅雨。本当のところ「ちょっと面倒」どころではない。しかし、この時期の雨が我らの生活や自然環境を豊かにするのだから、露骨に嫌がるのはやめ、露で潤い輝く緑に目を移し、子供の頃のように雨を楽しむ心を持つ様に心掛けることにしよう。

雨の日々を楽しんでいれば、夏というやつはあっという間にやってくるに違いない。雨の日がしばらく続き数日晴れたな、なんて思えば「はい、梅雨あけました」という具合にね。 毎年特に予定を立てることもなく、思いつきでどこかに行ったり行かなかったりと、そんな風にバケーションに前向きでないのは、海のある地区に住んでいるからである。リゾート地とは言わないが、すでにどこかに遊びに来ている様な雰囲気が溢れている。

そんな訳で、この辺りに10ほどある海水浴場を点々としていれば、それだけで夏を満喫できるものだ。暑い陽射しを受けながら溶け出す前にソフトクリームを食べ、国道沿いのカフェでサンセットを拝みながらその日を思い返す。

スポットCMがあればこんな雰囲気だ。

 

 




 

これは特にそんな想いを映像にしたものではないのだが、たまたまこれからの時期に流すイメージとしてはちょうど良いと思い、作ったショートムービーから切り取って音もそれ様にアレンジしたもの。毎度各アイテムの映像を撮っているが、なぜあんななのか。今回はそんな話。

 

 





オンラインのみのCITERA®にとって動画ってものは大切なコミュニケーションツールである。モデルが服を着て動いたり各部に寄ったりするだけのアイテム紹介の動画を撮ったところで何の役にも立ちゃしない。だってトライアルできる仕組みで販売してるので、それで十分である。アイテム自体のことは手に取って、目で見て、袖通してしっかりと吟味して欲しい。

だから動画が持つ意味は、一見何なのか分からずともCITERA®というブランドが持つ言葉にできない雰囲気を、伝えるためのツールなのである。伝えたいことは「この商品はいいですよ~だから買ってくださいね~」ではない。だからあんな内容になっている。「他がやらないこと、できないことをやっている精神」を映像化することで、CITERA®のアイテムもその精神を持っていることを伝えたいのだ。

 

 





できるだけ自分たちの周りで起こっていることや経験を映像に取り込みながら、表面的なものにならない様心がけている。そして撮っている側が楽しめるものでなくてはならない。それは、作った本人が着たいものをちゃんと作っている、ということと同じことなのである。それを伝えたいための映像がこれらなのだ。

 

 





これでいいのだろうか?って感じで毎度頭を悩ます。他はこんなことしてないぞ、と不安にもなるがそれが最も大切なことなのである。不安になりながらも一つ一つ自分たちで確認し、いい画になっているかどうか。そう、誰でもない、自分がいいと思い自分を強く信じて形にすればいいだけである。

 

 





それがいいのかどうかは観た人それぞれの感性や好みで判断すればいいことで、それよりも重要なことは、映像もアイテムも作っている時のその一瞬一瞬に自分が真剣に考え、その納得した結果を積み重ねられたかどうかである。それを映像を通して伝えられればと思い試行錯誤しながら撮っているのである。これから先のものはどうなるか自分でも分からないが、一見表面的に変わったものが出てきたとしても、根幹はここに書いたことと同じなのである。