DIRECTOR’S JOURNAL

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA®

LFOM Vol.06

last friday of month 2019.11.29

YEAH YEAH YEAH!12月がやって来る。
今年の冬も不安定な気候ではあるがそれをぶっ飛ばすかのように、街路樹にイルミネーションが施され、ショップウィンドウはクリスマスを演出し街は一気に華やぐ。
木々の葉が色づいた次は街が色づく。
街行く人足もステップを踏んでいるかのように軽く、目抜き通りはステージさながら。
毎月こんなに華やかだったらと思いつつも、こんな状態が続けば人と社会は駄目になるのは考えるまでもない。
しかしながら、バブル期というのは毎日がこんな状態だったのではないか、と想像して「そりゃ今があるわけだ」と思ったり。
楽しみたいけど悲観的な思いが表裏一体なのが今の世の中なのではなかろうか。



晩秋から初冬にかけては仏像や寺院に行くのがこの数年のルーティーン。
そんな時期でもあるので今月のLFOMではその流れでアトリエを飛び出すことに。
普段、仏像や寺院を観に行くのは西へ行くことが多い。
だが、せっかくLFOMで何処かに行くのなら「普段行かないところへ行こう」と思った。
そこで今回目指した先は日光東照宮。
栃木県なので日帰りとしてちょうど良さそうだ。
日光東照宮と言えば関東圏では小学校の修学旅行先である。
関東圏出身の人なら課外活動で必ず行ったのではなかろうか。
そしてせっかくそこまで行くのなら中禅寺湖にも立ち寄ることに。
「寒風吹き荒ぶ」という言葉はこのためにあるのか?と思うほど湖畔は寒さに支配されていた。
寒く乾いた空気のためか水面に輝く午前の光は神々しく思え、もっとその場に居ようとも考えたが、やはり寒さに勝てず早々に退散。




車内で暖をとりながら「いろは坂」で車を転がし、向かうは日光東照宮。
以前来た時は小学生だったため宮内の殆どに興味もなく、かろうじて「見ざる 言わざる 聞かざる」が記憶の隅にある程度。
こんなにも絢爛豪華、贅の極みのような場所であったことに驚く。
そして何より感心したのが建造物に施された宮大工の細かな仕事と、至る所に刻まれている徳川マーク。
そのとてつもない「徳川ブランディング」にはただただ感心するばかり。
とても勉強になる。
宮内の人気のない通りや階段には木々の間から光が差し込む。
数百年も前の時代に、今の時代よりもはるかに高い美意識により構築された場所は、外れの道でさえも絵になると思える。

(左)JACKET:AUTOBAHN JKT FW2
  着用サイズ L(モデル身長 177cm)

(右)JACKET:PWB PROTECTION 3B-JKT
  HOODIE:CM-HOODIE MOBILE
  BAG:COLLECTION POUCH
  着用サイズ L(モデル身長 161cm)









黄昏時をはるかに過ぎた昼の最後の瞬間を見つめながら思ったことは「栃木県は広い」ということだ。
本当は動物園や街にひっそりと馴染んでいる喫茶店やその他名所にも行く予定であった。
しかし、時間と距離の関係が読み切れず、残念ながら予定した場所全てを回ることはできなかった。
しかしながら、徳川の強烈なブランディングを味わえたことは大きかった。
次は日帰りではなく温泉などにも入りながら今回行くことができなかった所を見て回ることにしよう。

写真中段
(左)COAT:NEOCITY COAT
  KNIT:WHORDIC KNIT
  BAG:COLLECTION POUCH
  着用サイズ L(モデル身長 161cm)

(右)JACKET:AUTOBAHN JKT FW2
  PANTS:AUTOBAHN PANTS FW2
  着用サイズ L(モデル身長 177cm)





PHOTO:Satoko Imazu