PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

 

ミリタリースタイルは「永遠のクラシックスタイル」の一つであって廃れることなんてないと思う。これは個人的な主観ではなく、世界的な共通認識と言ってしまってもいいのではないだろうか。と言っても、それはファッション的観点での認識であって、今も戦争が続く地域においてはそうではない。日本において僕ら世代は戦争経験がなく、それは教科書の中でのこと。なのでこんな呑気なことを言っていられるのは、本当に幸せなことである。


さて、このミリタリースタイルのアイテム名についている「V-I-C」とは一体何であるか?

勘のいい方なら分かると思いますが(というか商品説明にほぼ書いてある)、子供の頃、テレビ東京で放映されていたアメリカのドラマ「コンバット」主演の俳優Vic Morrowの名前から拝借したのです。僕にとって初めて知る戦争とミリタリールックというのは、そのテレビで観たヴィック・モローなわけです。もちろんその後、高校生くらいから古着で軍モノを買ってもっと詳しく知る様になるのですが、初めて知って興味を持ったのはテレビなわけです。






なので、良い悪い以前に感覚的に「カッコイイ」から入ってしまったわけです。その僕の戦争、ミリタリーのイメージアイコンがヴィック・モロー。確か夜7時くらいから放映されていたと思うのですが、一発で覚えられる印象的なトランペットのフレーズと共に「カンバーット!」とタイトルがコールされ、それに続き下唇を噛みつつの巻舌で「ヴィ~ックモォロォーッ」なんて具合に始まるわけです。もうこの始まりだけでゾクゾクしたものです。テレビってすごいな、戦争ってカッコいいなって。そもそもそれを戦争と認識すらしていないくらいの年齢だったと思いますが……。

とにかく「ヴィック・モロー」が「コンバット」が格好良かったのです。その時点で彼のスタイルが僕の中で、永遠のミリタリースタイルとなったわけです。


でも正確に言えば、劇中でのヴィック・モローは上官だったと思うので、このブルゾンのスタイルではなく、エポレット(肩章)のついた兵士より上等なスタイルをしていたはずです。ですが、今自分が着るのであればヴィック・モローが着ていたタイプよりも、やはりこちらのBDUタイプが気分なわけです。なので、ミリタリースタイルを初めて見せてくれた彼へ感謝をこめ、「V-I-C」と名付けさせていただいたわけなのです。


第2時世界大戦の頃はこういった陸軍のブルゾンタイプはまだコットン100%だと思うのですが、ベトナム戦争あたりからは技術的進歩や戦地の気候も考慮し、化学繊維が使われたのだと思います。そしてさらに時が経ち、戦地とは関係なく平和な生活の中に取り入れられ、都市部などではお洒落着として取り入れられるこのブルゾンは、ポリエステルとコットン7:3くらいであり、軽くストレッチも効き、何よりすぐ乾くものとして家庭内での生活でも重宝されるまでに進化していったのです。

お母さんから「あらやだ、あんたこれ優秀ねぇ」なんて言われるであろう優れもの。お母さんなのか、奥さんなのか、彼女なのか、彼氏なのかは人それぞれですが、兎に角、家計を牛耳る立場の人を味方につければこっちのものです。それはCITERA的にってことですけど。


「CITERAはとにかくすぅ~ぐ乾くのよぉ~」「あら、うちの人のCITERAって服、一瞬よぉ~」なんて誇張も込みでご近所で言い回ってくれるに違いなく、そうなったらもうヴィック・モローなんてもんじゃないくらいの世間への影響力でCITERAをぐいぐい持ち上げてくれるわけです。


まあそんな風に今シーズンも毒にも薬にもならない馬鹿なメルマガを書いていますが、このアイテムは自分が本当に好きなスタイルを素直に着やすい形で表現したものであって、春先から梅雨入りくらいまで着て、そんで夏は休ませ秋口あたりから着て、その間に何度も洗いクタクタにし、寒くなったらニットやパーカーの上に羽織り、そしてアウターを着込むって流れの使い方をしようと考えています。そしたらお母さんだって、「あんたこれよく着るわねぇ、元取れたでしょ~」なんて言ってくるに違いありません。

それにしても、今時そんな昭和みたいなお母さんはいるのでしょうか?

ちなみに、ヴィック・モローですが、昭和後期の子供たちにとても有名な映画「トワイライトゾーン」の撮影中、ヘリのシーンで事故が起こり亡くなってしまったのです。このアイテムはヴィック・モローと昭和のお母さん、そしてあなたに捧げます。


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