PRODUCT STORY

Entries by Naoki Ei, the Director/Designer of CITERA

STORY第41回はPWB FLIGHT JKTについて。
PWBとはポーラテック社の機能性フリース素材「POLARTEC® Windbloc®」の略である。
このフリースは、軽くてストレッチも効きつつ風と水を通さない優れもの。
それでいて、自宅の洗濯機で洗えるのでケアも簡単。
そんな素材を使って作られたフライトジャケットを紹介。



形やディテールはヴィンテージフライトジャケットをモチーフにしているが、実際は程遠いと言うか、着丈や身幅のサイズ感は全く違うし雰囲気も違うけれど、オリジナルの持つ格好良さに負けない、今着れる格好良い機能的なウェアを作りたくてそれをモチーフにしたというのが本当のところ。
品の良いファスナー、上質なスウェードとこのフリース素材との相性が良く、高級感のある機能性ブルゾンに昇華できたと思っている。

さらに機能的なことを挙げると、フリース生地が3層構造になっていて、真ん中にあるフィルムが風や水の侵入を遮るのだけれど、体から出る蒸気はしっかりと排出してくれ、蒸れずに温かさだけをキープしてくれる。


アウトドアブランドであればこれくらいの機能なんて当然なのだが、アウトドアフィールド以外での着用に耐えられる見た目のものって最近は本当に少ない。
都会的なデザインで街向けのラインなどもあるけれど、それらはどうも胡散くさい、というかおっさんくさい。
格好良く都会的にしているのだろうけど逆にダサく見える。

アウトドアブランドなんだから、アウトドアフィールドに向けたアイテムだけにフォーカスしてデザインしていてほしい、というのが個人的な願い。
その方が街で着たくなる様な突然変異の格好いいアイテムが出てきたりする。
それがそのブランドの価値をさらに高めるとも思う。
決して狙うな、と言いたい。餅は餅屋だ。



関係ないが「餅は餅屋だ」と書いて思った。なぜ米屋でも豆屋でも豆腐屋でもなかったのだろう?
そもそも「餅屋」なんてものがあったのだろうか?
餅を扱うのは米屋か煎餅や和菓子を売る店だった様に思うけれど、そんなことを考えても仕方ない……。



話を戻そう。
こういった機能的なウェアに限らず、身につけるものは実際に触ったり試着をして自分のサイズやスタイルにフィットするか確認してから購入に至るのが普通だと思う。
基本的にはそうだけれど、最近では実物を見ずに購入する機会も増えつつあるのは確かだ。でもそれって、手元にある似た様なものを基準とし、ある程度想像がつく範囲内でそうしているだけで、全く予備知識や予備的感覚もなく購入することは今の所まだ難しいのではないだろうか、と思う。

技術は進んだけれど、まだそこを補うほどのサービスは追いついていない。
ZOZOスーツとかあるけれど自分が着たい感覚的なサイズ感を読み取ることはできないだろうし。
そもそもなんだアレ?いくら家の中だとしてもあんなの着たくない。ハロウィンの仮装に使うならまだしも、真顔であれを着る自分を想像できない。まあ個人的な生活スタイルの話なので否定をしているわけではありませんけど。
あの様なものが今後より良い商品やサービスのベースとなる可能性もありますからね。



結局話は逸れてばかりですが、衣服を選ぶにはやはり実際に一度試すことが一番なので、自分にフィットするかどうか、またアイテム自体がどういったものなのかを見るためだけでも、是非トライアルサービスを使ってみてください。
「着る」、「使う」ことだけが快適であるべきではなく、そこに至るまでの過程も快適であったり使う側に立ったサービスを心がけていくことがCITERAの考えでもあります。

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