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XTCと言えばイギリスのポスト・パンク、ニューウェーブに位置するバンドが思い浮かぶのだが、メンバーがこういった雰囲気のものを着ていたとかそういったことではない。メインボーカルを務めるアンディ・パートリッジという人のポップスセンスが英国らしい紳士的な面と、ところどころで見せる過激な面のバランス感が知的で魅力的なのだが、そういったのと同じ感覚をこのXTCというセットアップのアイテムに感じたのだ。アイテム名にバンドとの直接的な繋がりは一切ないが、作って冷静になってみるとXTCのサウンドクリエイションから10代の頃に感じた、パッションと優しさと小難しさが同じ様に詰まっている気がした。

ポール・マッカートニーはこういうスタンドカラーのジャケットを着ているイメージがあるが、それに影響を受けたわけではなことははっきり言っておこう。XTCのアンディ・パートリッジはポールに多大な影響を受けていることはサウンドを聞けば明白だ。ポールと言うよりも、ビートルズと言うのが正しいのだろう。そもそも、ポップスをやるものでビートルズの影響を受けていない人などいるのだろうか?まあ0ということはないだろうけど、限りなく0に近い程であろう。





スタンドカラーに対する偏見なのだが、偉い人や賢い人が着る、そんなイメージがある。全くの私の偏見であるが、それには理由があって、中国の毛沢東、イギリスのテレンス・コンラン卿、日本の超有名料理専門学校の恰幅の良い校長などが着ているからだ。そして日本でスタンドカラーといえば、まずは学生服となってしまって制服感が否めない。こういうことを言ってしまうとさらにそう思って袖を通しにくくなってしまうだろうが、一旦そこを通過し通り抜けてしまえば、一切そんなことは気にならずカジュアルにそしてスマートに着られるものだと思う。ヴィジュアル的な自己のイメージアップを図るなら、まずはXTCで初めてみるのもいいと思う。襟付きのジャケットよりも圧倒的に賢く見える。実際に、先に挙げたような賢いとされるポジションの人たちが着ているからということなのだが、建築家なんかも着てそうなイメージがありますね。






だからと言って、カチカチに硬い雰囲気ではなくもっとラフに着られるものとしてデザインをしています。羽織った際のくたっとなりつつもコシのある素材感。そしてリングボタンで雰囲気を締めつつ軽い印象を与えカジュアルに見せる。桜も散ったとはいえまだまだ半袖オンリーでは頼りないこの時期にはちょうど良いアイテムだ。ジャケットの話ばかりしてないでパンツについても書いておこう。








こちらはジャケットと違ってイメージが云々などと1mmも心配する懸念点はなく、ただただハイブリッドな雰囲気にデザインされたパンツである。シンプルさを失わせないでデザインを入れていき、いつもの高級ファスナーをラインの中に埋め込みながら、メタル感で強調させ最小限な形を取りつつもインパクトを残す。そのファスナーを境にシャイニーな生地と相まり、ハイブリッド感が高まる。上着の影からファスナーやシャイニーな生地が覗けば、輝ける太陽の光に反射し人の目を留め記憶に残すであろう。「あのパンツなんか良さそうだったな」と。





PERTEX UNLIMITEDの質感とストレッチ性で穿き心地と動き心地とも言うべきか、しゃがんだ時などにはそのストレッチ性のありがたさを実感するだろう。驚くほどに伸びていく感じが気持ち良い。おまけに肌のあたりもヌルともスルとも違うスワっとした滑らかさがまた良いのである。これはジャケットにも言えることで、腕や肩を大きく動かした時の感触は特筆すべきものである。二の腕のつっぱりと肩にかかる窮屈さからの解放は、「フリーダム宣言」と大袈裟に言いたいほどでもある。ストレスないけどごちゃごちゃしてて、ストレスないはずだったのにそのごちゃごちゃがストレス!とか本末転倒してるものなども存在していたり、紳士服の安売り店のものとかも着たくないですからね。「スーツ着て寝れます」ってそれ自体どうなんだ?と首を傾げてしまう。着たまま家で寝たくないでしょ。なんかコロナ禍でリモートライフに乗じて無理に物売ろうとしてるのが滑稽で、世も末感が出てきますが21世紀ともなれば仕方ないのかなと。







今の時代に最も必要なのは、ごちゃごちゃしたテクニカルウェアでも無理な一石二鳥服でもXTCジャケットやパンツでもなく、本質を見抜く力と素っ裸にならない程度で暑くもなく寒くもならない程度の服であって、自分が信じられるものを見つけることだと思います。CITERAであろうがなかろうが、本質を見極めた上で乗りこなしハッピーであるのが一番正しく格好いい生き方だと思います。自分を信じ自信を持って生きていきたい。春にしてそう思うのです。












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